ネット民には人気「河野太郎」 旧知の政治解説者が語る「デジタル的感性」の長所と短所

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祖父の悲劇

「確かに、今を勝負所と見るかどうかについては、見解の相違もあったようです。ただ、これで2人の関係が水泡に帰すなどということはありません」(同・篠原氏)

 今後も麻生大臣との“師弟関係”は変わらないという。

 もし河野大臣が総裁選に勝利し、首相の座を勝ち取ったとする。有権者が高く評価する可能性が高いのは、彼の“英語力”だという。

「慶應大学を2か月で退学して渡米、アメリカ・ワシントンD.C.のジョージタウン大学を卒業しました。現地では下院議員のインターンも務めるなど、政治活動の経験も積みました。外務省の関係者によると、その英語力は折り紙付きだそうです。『歴代首相なら、宮澤喜一(1919~2007)、吉田茂(1878~1967)に匹敵する』という指摘も耳にしました」(同・篠原氏)

 日米首脳会談で通訳を交えず流暢な英語で挨拶を交わす──確かにこんな場面がニュースで流されれば、内閣支持率は上昇しそうに思える。

「太郎さんの祖父にあたる河野一郎(1898~1965)も、国民的な人気を誇る政治家でした。1964年に当時の池田勇人首相(1899~1965)が健康を理由に退陣すると、後継候補とも報じられました」(同・篠原氏)

“眞紀子”の不在

 ところが池田首相は、後継に佐藤栄作(1901~1975)を指名する。

「一郎さんは捲土重来を期しますが、翌65年に大動脈瘤破裂で急死してしまうのです」(同・篠原氏)

 首相の座は、まさに河野家三代の悲願である。そして河野大臣が、最も総理総裁に近づいていると言えそうだ。

「かつて私はテレビ番組のキャスターを務めたことがあるのですが、その際、番組の取材班が太郎くんの追っかけをしたことがあるんです。秘書も連れず、自分でマイクと幟を持って、駅前で演説していました。非常に新鮮な印象を受けましたが、『こんなことをしていて、永田町でのしていけるのか』と不安にも思ったものです。しかし今となっては、ああいう“アマチュア”的な姿勢が有権者から注目され、時代の追い風が吹いていることが分かります」(同・篠原氏)

“河野旋風”への期待が高まるのも当然というわけだが、篠原氏は「党員・党友が過度に期待すると、太郎さんも困るかもしれません」と指摘する。

「小泉旋風が巻き起こった大きな理由の1つに、田中眞紀子さん(77)が全面的に支援。いわゆる“眞紀子節”が炸裂したことがあります」(同・篠原氏)

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