【W杯予選】中国戦でも疑問を感じた森保監督の選手起用 10月の予選で呼ぶべき選手は?

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間に合う監督交代

 カタールW杯アジア最終予選の第2節で日本は中国を1-0で下し、今予選初勝利を奪った。

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 2試合を終えてグループBの首位は2連勝で勝点6のオーストラリア(得失点差+4)。2位は同じく勝点6のサウジアラビア(得失点差+3)で、日本はオマーンと同勝点、同得失点差(±0)だが、直接対決で敗れているため4位に甘んじている。

 ともに初戦を落とした日本と中国だったが、両チームのメンタリティーには天と地ほどの差があった。「絶対に勝たないといけない」日本に対し、「何が何でも負けるのだけは避けたい」中国。それが前半の戦いに如実に現れた。

 自陣ゴール前に5人のDFを並べ、中盤の3人も専守防衛。さらにエウケソンとウー・レイの2トップも自陣に戻って守備に加わる。この超守備的な布陣が日本の勝因の1つと言ってもいい。

 これまでの日本は、対戦相手がこの日の中国のように試合前からリスペクトしてくれたため、試合の主導権を握れることが多かった。その勢力図に変化が現れたのは19年のアジアカップあたりだが、こうした“日本はアジアナンバー1”という虚像を打ち砕いたのが日本を倒したオマーンであり、さらに言うなら「日本は恐れる必要はない」とばかりにチームを率いたブランコ・イバンコビッチ監督だった。

 しかし李鉄監督は、前半は失点してもガマンを重ねて動かなかった。このゲームプランに日本は助けられたと言ってもいい。そして後半18分に3人同時交代でアランやアロイージオら帰化した攻撃的な選手を投入して攻勢を強めた。

室屋成への疑問

 すると日本は前半のアドバンテージが雲散霧消する。もしも中国が後半のように前線からプレスを掛けつつ、DFラインも押し上げてコンパクトな陣形を保って試合を進めてきたら、日本はゴールをこじ開けられたかどうか疑問である。

 そして日本の決勝点だが、伊東純也の突破が奏功した。森保一監督は両サイドに伊東と古橋亨梧というスピードスターを起用した。しかし2人の俊足を生かすというよりは、彼らがインサイドに入ることでアウトサイドにオープンスペースを作り、そこを室屋成と長友佑都の両SBが攻撃参加するというプランを採用した。

 しかし室屋は1対1になっても一度もドリブル突破を仕掛けずバックパスに終始。長友もアーリークロスは何度か供給したものの、タテに仕掛けるドリブルは皆無だった。ところが前半40分、伊東が初めてドリブル突破を仕掛けてサイドを崩す。これにより中国DF陣が混乱したからこそ大迫勇也もフリーになれた。

 伊東はそのシーンを「サイドバックが高い位置を取るようにして、そこに任せていたので自分はなかなかサイドでボールを受けられるシーンがなかった。そのなかで、やっぱり自分が行った方がいいかなと思って、サイドで仕掛けてクロスを上げた」と振り返る。

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