ノルウェー「未来の図書館プロジェクト」を考える 作家は本気を出さないのでは?(古市憲寿)
ノルウェーには「未来の図書館」と呼ばれるプロジェクトがある。首都オスロ郊外の森に千本のトウヒの苗木を植林し、100年後に、成長した木を使って紙を作り、本を印刷するというのだ。執筆者は計画の始まった2014年から2114年まで毎年1名ずつ選ばれ、既に何作も原稿が提出されているが、各本の内容は2114年まで非公開なのだという。
夢のあるプロジェクトだと思うが、興味があるのは作家が本気を出すのかということ。たとえば2020年はベトナム出身の詩人オーシャン・ヴオンさんが選出されていたが、どんな名作を残しても、評価されるのは(かなりの確率で)死後だ。...
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