「ハコヅメ」原作漫画家・泰三子さんは元警察官 現職時代、似顔絵捜査、そしてドラマを語る

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満を持してのドラマ化

 実は、「ハコヅメ」にはこれまでに何度も映像化のオファーがあったという。

「単行本の1巻が出た頃には、様々なところから企画を頂いていました。ただ、『ハコヅメ』は性犯罪のようなセンシティブな内容も多くあるので、作品が自分の手を離れてしまうことに大変不安を感じていました。怒られてしまうかもしれませんが、当時は正直、ドラマ化の話なんて全部ポシャれと思っていたくらいです」(同)

 では、今回ドラマ化に至った理由は何だろうか。

「講談社には、著作権を管理するライツという部署があるのですが、当時の担当者だったT原さんが、それはもう、本気の『ハコヅメ』ファンの方で、作品の主題から外れるようなドラマ化の企画については、全て断ってくださっていたようです。T原さんのハコヅメ愛の強さに、『T原さんはいつか講談社に怒られるんじゃ……』と心配になる時もありましたが、作者としては、『いいぞ! T原さん!』と内心嬉しくもありました。そんなT原さんが、唯一私まで話を持ってこられたのが、今回ドラマ化となった日テレの企画でした。企画書を拝見した私の最初の感想は『この規模でやるの?』という感じで、豪華な俳優陣やプライムタイムでの放映に気後れしてしまいました。ただ、講談社と日テレの担当者が、どちらも原作を本当に大切に思ってくださっていて、丁寧に話を進めていただいたお陰で、なんとか作品を託す決心がつきました。根本ノンジ先生のプロの腕によって書かれた、笑いあり、涙ありの完成度の高い脚本を、素敵な俳優陣が抜群の演技で魅せてくださっているドラマです。セットや小道具の全てに、スタッフさんの愛と努力と技術が込められていて、本当に皆さんに見ていただきたい作品です。『ハコヅメ』は幸せな作品だと思います」(同)

 初回視聴率11.3%と好発進したドラマは、回を重ねても2ケタの高視聴率を維持している。ドラマの視聴者には、原作を読んでみたいと思う方も多いだろう。

「私が描いた原作漫画の方は、警察官しかやったことのないド素人がスマホの『漫画の描き方講座』を見ながら描いた作品です。連載準備期間中、『できるだけネーム(漫画の下書き)を描き貯めましょう』という担当編集さんの言葉を、『1日1話、毎日ネームを描け』という意味だと勘違いしてしまったため、単行本1巻分のネームは、なんの推敲も精査もしないまま、10日間で描いてしまっています。それくらい勢いで描いた漫画なので、今読み返すと、荒削りでかなり読みづらいです。もちろん、私自身は精一杯描きましたし、編集さんやスタッフさん、販売部など、たくさんの方々が関わって作り上げてくださった作品ですので、そういう人達の苦労に報いるためにも、多くの方に手に取っていただきたいと思っています。原作漫画に興味を持ってくださった方は、まず、低評価のレビュー等をある程度ご覧になった上で、無料公開されているものを試し読みしていただき、それでも大丈夫そうというか、許容範囲なら、是非ご購読を検討いただけると嬉しいです」(同)

『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』その1 アンボックス(ハコから逃げろ)の試し読みはこちら
https://comic-days.com/episode/10834108156629726452

デイリー新潮取材班

2021年8月18日掲載

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