内閣支持率30%割れで安倍チルドレンの悲鳴 それでも自民党総裁選「党員投票なし」を画策する人々

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二階幹事長の発言

「自民党員とはいえ、無党派の有権者と変わらないところがあります。『菅さんが首相なら総選挙では戦えない』と考えている党員は、それなりの数にのぼります。党員の投票を認めてしまうと、菅さんが自民党総裁に再選されないかもしれない。そんな危機感を、菅さん自身はもちろん、菅さんを支持する二階俊博幹事長や安倍晋三前首相(66)、麻生太郎副首相(80)は抱いているのです」(同・政治記者)

 こうした動きに先手を打って牽制したのが二階幹事長だ。8月3日の記者会見で、菅総裁の再選を支持した。

「二階幹事長は菅さんの続投に関し、『国民の間にも党内にも強いのではないかと判断している』と発言し、ネット上では呆れる声が多数を占めました。重要なのは『複数の候補になる見通しではない』と発言したことです。要するに、菅さんが無投票で総裁に再選される可能性を示唆したのです」(同・政治記者)

 無投票になるという二階幹事長の発言は、放言の類ではないという。相当にリアルなものとして受けとめられている。

総選挙の引き延ばし

「かつての自民党は、派閥を中心に回っていました。中選挙区制だったため、選挙区で自民党の候補者が複数立候補し、選挙戦を繰り広げていたからです。ところが小選挙区制になり、党の公認が当落に直結するようになると、党中枢の影響力が格段に上昇しました。幹部が自民党総裁戦の無投票を指示し、それに国会議員が唯々諾々と従ったとしても、不思議はありません」(前出の伊藤氏)

 また、これだけ菅内閣の支持率が下がると、「総選挙はできる限り引き延ばせ」という方針になるという。

「総選挙まで数カ月です。ここまで下がった政権支持率を上げる方策はないでしょう。一つだけあるとすれば、ワクチンの接種率が上昇し、コロナ対策の不手際を有権者が忘れるという可能性だけです。つまり、総選挙はできるだけ引き延ばしたほうが、自民党は大敗を免れるわけです。国会を開催すれば、総選挙を後倒しにできる“裏ワザ”があります。10月下旬に国会を開くと、総選挙の投票日を引き延ばせます。更に、自民党総裁選は公的な選挙ではありません。党員が認めれば、総裁の任期を延ばし、総裁選の選挙日も後倒しにできます。となると理論上は、11月総選挙、12月総裁選という可能性もあるのです」(同・伊藤氏)

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