内閣支持率30%割れで安倍チルドレンの悲鳴 それでも自民党総裁選「党員投票なし」を画策する人々

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世論無視の暴挙!?

 内閣総理大臣の菅義偉氏(72)は、自由民主党の総裁でもある。自民党総裁の任期は9月30日、衆議院議員の任期は10月21日までだ。

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 菅内閣の支持率が低迷していることから、「総裁選と総選挙の順番」や「党員の投票を認めるのか」に関して、様々な駆け引きが顕在化してきた。

 自民党の総裁は、党が行う選挙によって決まる。公職選挙法に基づく公的な選挙ではないことに注意が必要だ。政治担当記者が説明する。

「総裁選は自民党に所属する国会議員と、全国の党員による投票で選出されるのが基本です。公職選挙法に基づかないため、60年代から70年代の総裁選では、金銭による買収が公然と行われていました。選挙に立候補できるのは、国会議員20人が推薦する国会議員。いずれも自民党所属が条件です」

 自民党の国会議員と党員による投票は、近年、「フルスペック」と呼ばれることもある。なぜなら、「党員の投票はなしにして国会議員だけで選ぼう」という動きがあるからだ。

「まずは総選挙と総裁選の順番の問題です。菅首相は今年4月に訪米しジョー・バイデン大統領(78)と会談した際、記者団から総裁選について質問され、『解散して勝たなければ続かない』と回答したのです。つまり、9月に衆議院を解散して総選挙を実施、その後に総裁選を行う見通しを示したと受け止められました」(同・政治記者)

青年局の“反乱”

 菅内閣が有権者に高く評価されていれば、「総選挙→総裁選」の順番でも問題ない。総選挙で自民党が圧勝し、“菅総裁”の求心力は高まる。菅首相以外は誰も総裁選に立候補しないという、無投票再選になっても不思議はない。

 だが、現実は異なる。NHKが8月10日に報じた最新の内閣支持率によると、菅内閣を「支持する」と回答したのは29%にとどまり、「支持しない」は52%に達した。

「主にコロナ対策への不満が、内閣支持率の低下を招いています。こうなると、菅首相は“選挙の顔”にならない可能性があります。そのため最近では、自民党内からも『総選挙の前に総裁選を行うべきだ』という意見が公然と表明されるようになりました。フレッシュな“新総裁”で選挙を戦うというシナリオです」(同・政治記者)

 8月2日、自民党の青年局は「総裁選は総選挙の前に実施し、党員も投票できるようにすべき」との考えを表明した。

 青年局の局長を務めるのは、神奈川17区で選出された牧島かれん・衆議院議員(44)だ。マスコミに「9月末に任期が来るのに先んじて、フルスペックで行われるのが自然だ」と強調した。

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