事件現場清掃人は見た 直ぐそこで彼氏が自殺していたことに気付かなかった女性の後悔

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悔やんでも悔やみきれない

 女性は、泣き崩れたという。

「練炭を燃やしても煙は出ませんし、臭いもありません。浴室のドアは、内側がガムテープで塞がれていましたから、ドアを開けない限り、彼がいたことに気づかなかったでしょう。浴室にはトイレもありますから、彼女がトイレを使っていれば発見できたわけですが……」

 女性は前日、彼を見つけられなかったことを嘆いた。

「休憩時間に帰宅した時に彼を見つけていれば、助かったかもしれないと思うと、悔やんでも悔やみきれなかったと言っていました。助かったかどうかは分かりませんが、彼女の気持ちを思うと私もいたたまれなくなりました」

 高江洲氏は、清掃にとりかかった。

「汚れもほとんどなかったので、すぐに終わりました。後は遺品をまとめて、遺族に引き渡すだけです。清掃費用はたいした額ではなかったので、彼女が払ってくれました」

 その後、女性はその部屋から引っ越したという。

「引っ越しても、彼女は自殺した彼のことを一生忘れられないと思います。かなりショックを受けていましたから、まさか彼の後を追うのではと心配になりました。今ごろ、元気を取り戻してくれれば良いのですが……」

デイリー新潮取材班

2021年8月9日掲載

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