五輪選手村で連日“野外パーティ”の乱痴気騒ぎ動画 組織委も警察も制御不能の呆れた実態

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大音量のラテン音楽に乗って密着する男女

 レインボーブリッジの夜景が広がる野外で、両手を振り上げながら楽しそうに踊る30人くらいの男女。大音量のラテンミュージックが流れ、みなノリノリだ。傍らにはビール缶や酒瓶。はっきり顔までは確認できないが、白人や黒人が入り交じってパーティーを楽しんでいる。密着しながら腰を振るカップルも。全員がノーマスクだ。

「これは7月31日深夜に撮影されたものです。この後ここで、最寄りの所轄である月島署が出動する飲酒トラブルが発生しました。騒ぎは新聞、テレビでも報じられましたが、真相とはかなりかけ離れている。組織委や警察が事態を矮小化して発表し、メディアもそれを鵜呑みにして、小さく扱っているような気がしてなりません」(同)

 例えば、「FNNプライムオンライン」は「選手村・飲酒トラブル」についてこう報じている。

〈東京オリンピックの選手村で、外国人選手が関わる酒をめぐるトラブルがあった。7月31日午前2時ごろ、選手村の路上で、複数の外国人選手が酒を飲んで騒いでいて、大会関係者とトラブルになり、警察に通報があった。選手村での酒をめぐるトラブルで警察に通報があったのは初めてで、警察官が駆けつけると、選手たちはいなくなっていたという〉(8月1日)

 だが、大会関係者は「こんな報じ方では、選手村で起きている実態がまったく伝わらない」と憤る。

「動画に映っていたパーティーは、厳密には公園の脇で行われていました。この日、この集団とは別に、公園の中でも100人くらい、各国の選手たちがいろいろなグループに分かれて、どんちゃん騒ぎをしていました。月島署が出動したのは午前2時ですが、午後10時くらいからずっと。組織委の警備関係者も、選手村の警備担当である大阪府警の警官たちも、周囲を守っているだけで注意すらしなかった末に起きたトラブルだったのです」(同)

選手が組織委スタッフの足首を捻挫させた?

 なぜ大阪府警が現場にいながら、月島署の署員が駆けつける騒ぎになったのか。複数の報道によれば、騒ぎを注意しようとした組織委の警備関係者と選手との間で、小競り合いがあったようだ。その際、職員が足首を捻挫したとの一部報道もあるが、 日刊スポーツによれば、騒動が収まった後の移動中に負った怪我で、飲酒した選手との関係はないという。

「いずれにしても、事件化するような大ごとにはならなかったのでしょう。でも、それをいいことにこの乱痴気騒ぎは表沙汰にならず、不問にされてしまったのです。その結果、夜の選手村は無法地帯のまま。騒ぎが起きているのが夜間、警備担当の語学能力、そして何よりも縦割りの組織運営に原因があると思われますが、こんな体たらくでは感染拡大を防ぐために作った『プレーブック』など意味をなしません」(同)

 確かに冒頭で紹介した、記者が対岸から耳にした様子は、警察沙汰が起きた二日後のことだ。警察の目など外国人選手たちは意にも介してないのだろう。「これでは、閉会式までにいつ大規模クラスターが起きてもおかしくない」と大会関係者は訴えるのである。

組織委は取材に回答せず

 組織委に、警察沙汰になったトラブルの詳細、野外パーティーに対する見解などを聞いたが、期限までに回答はなかった。

 開会式のごたごたに続き、炎暑対策の不備など次々と問題が噴出してくる東京五輪。もはや組織委は機能不全に陥っているのかもしれない。

デイリー新潮取材班

2021年8月3日掲載

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