「侍ジャパン」金メダルへ不安要素も…4番「鈴木誠也」が打てず、中継ぎ陣が不調

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 東京五輪で悲願の金メダルを目指す野球日本代表。初戦のドミニカ戦は9回裏に逆転サヨナラ、2戦目のメキシコ戦は終盤に追い上げられながらも逃げ切りと苦しみながら2連勝で、一次リーグを1位で突破した。今回は出場選手の活躍度について、◎、〇、△、×の4段階で採点しながら、決勝トーナメント(ノックアウトステージ)でのポイントを探ってみたい。

文句なしのできの山本

◎:山本由伸(オリックス)、伊藤大海(日本ハム)、山田哲人(ヤクルト)、坂本勇人(巨人)

 投手で文句なしの出来を見せたのは、大事な初戦の先発を任された山本だ。立ち上がりに少し硬さはあったものの、6回を投げてわずか被安打2、9奪三振で無失点とほぼ完璧に近いピッチングで試合を作って見せた。今回、選ばれた投手陣の中で安定感は頭一つ抜けており、順調に勝ち進めば決勝戦の先発を任される可能性は高い。このピッチングには、米メディアも称賛しており、メジャーリーガー候補としてさらに注目を集めそうだ。

 伊藤は、多くのリリーフが苦しむ中、メキシコ戦で見事な投球を見せた。数字以上に勢いのあるストレートと多彩な変化球を操り、とてもルーキーとは思えない堂々としたピッチングだった。抑えの栗林良吏(広島)、セットアッパーの平良海馬(西武)がともに失点しているだけに、場合によってはさらに重要なポジションを任せられることもありそうだ。

 野手では1、2番を任された山田、坂本の活躍が目立った。ともにドミニカ戦の第3打席までは内容も良くなかったが、9回裏に連打でサヨナラ勝ちを演出してからは覚醒。メキシコ戦では、ともにホームランを含むマルチヒットをマークした。坂本は三振が多いのは少し気になるところだが、この2人が好調を維持できれば、決勝トーナメントでも得点源となる可能性は高いだろう。

安定した打撃の吉田と村上

〇:森下暢仁(広島)、山崎康晃(DeNA)、吉田正尚(オリックス)、村上宗隆(ヤクルト)、甲斐拓也(ソフトバンク)、近藤健介(日本ハム)

 メキシコ戦の先発を任された森下は本調子というわけではなかった。それでも5回を2失点にまとめ、先発としての役割をしっかり果たした。力のある打者に対しても大きいカーブ、小さく沈むチェンジアップの緩いボールを思い切って投げられ、しっかり結果を残したのは自信となったはずだ。

 山崎はドミニカ戦の4番手で登板し、1回を危なげなく無失点。2年前の世界野球「プレミア12」の経験も心強く、今後も中継ぎの一角として期待される。

 シーズンと変わらぬ安定した打撃を見せたのが吉田と村上の2人だ。吉田はドミニカ戦で2安打1四球と3度出塁。メキシコ戦もノーヒットに終わったものの、内容は決して悪くなかった。村上もドミニカ戦で1点差に迫る貴重なタイムリーを含む2打点。メキシコ戦でもセンター前にしっかり弾き返している。今後もポイントゲッターとして期待したい。

 近藤は控えに回っているが、ドミニカ戦では代打で貴重なヒットを放ち、今後も切り札としての役割を任せられることになるだろう。そして、キャッチャーの甲斐もパスボールなど守備のミスはあったが、打撃では好調をキープしている。9番に打てる選手がいるというのは打線にとって大きなプラスである。

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