【東京五輪】「朝日」「毎日」と「読売」でこんなに違う報じ方 菅政権との距離が原因か

国内 社会 2021年8月1日掲載

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反対vs.賛成

「13歳、真夏の大冒険」──スケートボードの女子ストリートで、西矢椛(13)が金メダルを獲得した。その時の実況が話題になるなど、東京五輪は盛りあがりを見せている。

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 だが今年5月、朝日新聞が「夏の東京五輪 中止の決断を首相に求める」との社説を掲載したことは記憶に新しい。

 6月21日、国際オリンピック委員会や東京都、政府などによる5者協議が開かれ、「競技会場の収容定員の50%以内、上限1万人まで観客を入れる」ことを確認した。

 五輪を中止するどころか、有観客による開催を決めた。これに朝日新聞は反発した。翌22日に掲載された社説で「五輪の観客 科学置き去りの独善だ」と批判した。

 毎日新聞も同じ論調だった。同日に掲載された社説は「五輪の『有観客』方針 安全軽視の無責任な判断」という見出しだった。

 一方、政権に近いとされる読売新聞の社説は「五輪1万人収容 観客の直行直帰を徹底したい」という見出しだった。観客の上限が決まったことを《五輪の準備も本格化する》と評価。観客が競技場から直帰すれば、感染抑止が期待できるとした。

「俗に『朝毎読』と言いますが、全国紙を代表する3紙のうち読売は五輪賛成派、朝日と毎日が反対派となったのが、6月22日の社説だったと思います。その後、有観客は撤回されて無観客が決まりましたが、朝日と毎日のスタンスは変わりませんでした」(担当記者)

 東京五輪は7月23日に開幕したが、この日の朝刊も3紙の紙面は対照的だった。

 読売新聞は1面トップで大きく「東京五輪きょう開幕」と掲げ、前日にサッカー男子(U-21)が南アフリカ戦を1−0で制したことを「サッカー男子 白星」と報じた。

森喜朗のスクープ記事

 写真はゴールを決めて喜ぶ久保建英(20)を使い、その横には編集委員の「選手の勇気に敬意」という署名コラムも掲載した。

 東京五輪の開催を祝うというポジティブな紙面なのは明白だ。そして左端に「開会式演出 小林氏解任 過去にユダヤ人虐殺やゆ 組織委」という見出しが掲載された。

 ご存知の通り、元「ラーメンズ」の小林賢太郎氏(48)が過去のコントで、ホロコーストを揶揄するセリフを言わせていたとして解任された問題だ。

「ところが朝日と毎日は、小林氏の解任を1面トップに持ってきました。不祥事や混乱を強く打ち出すことで、五輪に対する批判的なスタンスを鮮明にしたわけです。更に朝日は『組織委 森氏復帰を検討 「名誉最高顧問」政府内に反対論』というスクープ記事も1面に掲載しました。女性蔑視発言で組織委会長を辞任した森喜朗氏(84)が“名誉”を回復してしまう可能性があると報じたわけです」(同・記者)

 朝日新聞は更に「東京1979人感染 全国では5397人」の記事も1面に収容し、危機感を訴えることも忘れなかった。

 毎日新聞も「商業色濃く 遠い平和理念」という記者の署名コラムを掲載した。日本は64年東京五輪の《幻を追いかけてきた》とし、《約半世紀ぶりの祭典は人権感覚や社会的な課題において世界との差を痛感させる舞台となった》と綴った。

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