1軍出場なし「楽天オコエ」復活なるか…学ぶべき“2人の先輩”の姿勢

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チーム状況は“追い風”

 また、チームの状況は、オコエにとって決して不利とは言えず、むしろ“追い風”が吹いているといえる。野手陣の顔ぶれを見ると、右打者で不動のレギュラーと言えるのは主砲の浅村栄人だけだ。外野陣は、岡島豪郎や島内宏明、辰己涼介と左打者が並び、控え選手を見ても、生きのいい右打者は少ない。オコエの持ち味であるパンチ力や走力を生かせる余地は十分にある。

 7月24日の侍ジャパンとの練習試合では、2番センターで出場。同学年で高校時代はU18日本代表でチームメイトだった森下暢仁(広島)からツーベースを放ち、その後もスピード溢れる走塁でホームインするなど、オコエらしさを発揮している。久しぶりに、トップレベルの投手を相手に結果を残せたことは大きなプラス材料である。

 2015年の夏、甲子園の外野手で誰よりも輝いていたのはオコエであり、その姿に魅了されたファンも多かったはずだ。今年で24歳という年齢も、野球に見切りをつけるには早すぎる年齢である。今後行われる二軍戦、エキシビジョンマッチで、さらなるアピールを見せ、後半戦には鮮やかに復活する姿を見せてほしい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年7月27日掲載

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