「お笑いは一日を幸せにするけど、小説は人生の栄養になる」Aマッソ・加納が執筆を続ける理由

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その日一日を幸せにしてくれるお笑い、人生を豊かにする小説

――ネタ作りと執筆の近い部分は?

「純度ですかね。100%自分で作るっていう純度が似てると思います。テレビとかやと求められたことを頼まれますし、チームで作り上げていきますけど、ネタと文章に関しては、100%自分の責任なので。良くも悪くも潔いというか“言い訳できひんな”って感じは似てますし、好きですね」

――逆に、全く違う部分は?

「お笑いはウケたらオッケーでスベッたらダメ、っていう分かりやすい結果があるじゃないですか。小説やエッセイはその“正解”がないから怖いんですけど、一行一行で点数がつくわけじゃないから、ちょっと開き直って書きますね」

――お笑いに比べて点数が分かりにくいということですね。

「ただ、受け手としてお笑いや小説に触れてきた経験から、“その日一日を幸せにしてくれるのはお笑いで、人生を豊かにしてくれたのは小説”と思ってるので、あくまで効果が出るまでの尺の問題というか(笑)。長い目で見て栄養になるのは小説かもしれないですね」

――お笑いは栄養じゃない?

「人生を助けてくれるのは小説な気がしますね。他人が“こんなことで悩んでるんや”と知ることが救いになるというか。小説は自分で読み進めるものなので、関係が対等な感じもあります。お笑いは一方的に投げられる感じじゃないですか。なので、小説の方が自分に寄り添ってくれるようなイメージがあります」

――お笑いと執筆、両方やることで相互に影響することはあるのでしょうか。

「ネタってセリフでできてますし、常に温度をもって自分が喋れるセリフを書いてきたので、小説を書く時も“温度のあるセリフにしよう”っていうこだわりがあります。ただ、お笑いをやってきたからか、逆にキザに書けないっていうのはあるかもしれません。本当はバシッとキザに書きたい部分でも、ネタのセリフでそういうことをしたことがないから、なかなか難しいんですよね」

――普段ネタを書くときは相方・村上さんのことを想定して書くと思いますが、執筆中、村上さんの存在が頭をよぎることは?

「それは全くないですね(笑)。あいつは5文字以上喋れないんで(笑)」

「ずっと遊んでいたい」

――多忙な生活の中で小説、エッセイはいつ書いているのでしょうか。

「隙間を見つけて書いています。仕事の合間に喫茶店に行ったり、夜中にマンガ喫茶で書くこともあります。家やとあんまり集中できないんです。昔からあまり家好きじゃないので(笑)。 16歳みたいなこと言いますけど、ずっと遊んでいたいですね」

――遊ぶ相手は?

「7割フワちゃんですね(笑)。普通に仕事の文句とか言うてますよ(笑)。あいつはずっと海外に行きたいって言ってるし、ゆくゆくはこうなりたい、みたいな話もします」

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