「お笑いは一日を幸せにするけど、小説は人生の栄養になる」Aマッソ・加納が執筆を続ける理由

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ネタ作りと執筆活動の違い

 お笑いコンビ、Aマッソの加納愛子さんのエッセイ新連載「行儀は悪いが天気は良い」が、「小説新潮」8月号よりスタート。文芸誌での小説の発表も相次ぐ加納さんに、お笑いのネタ作りと小説執筆の違い、Aマッソとして目指す方向性などについて語って頂いた。

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――昨年の単行本『イルカも泳ぐわい。』(筑摩書房)は発売後即重版、現在は小説の発表も相次ぐ加納さんですが、これまで執筆活動への興味は?

「芸人になってからは、ネタ以外の文章を書くことはなかったですね。大学時代に脚本書いたりしましたけど、小説とかエッセイの形ではなかったです」

――小説とエッセイでは、どちらが難しいですか。

「どっちもムズい…ですね。毎月ひーひー言いながら書いてます。ここが刺さったらいいな、とか頭を使って考えるのはエッセイの方ですかね。小説の方はまだそこまで考えられてなくて、“とにかく進める”みたいな感じで書いていることが多いです。エッセイを書くときは“こういう気持ち他の人も感じたことあるかな”とか思いながら書いていて、それが必ずしも目新しい感情ではなくていいのかな、と思ってます。そこはネタ作りとは全然違いますね」

――ネタでは驚いてほしい?

「そうですね、次の一行を予想されたらアカンわけやから、全然ちゃうかもしれないですね。エッセイなら次の一行を予想されたとしても“わかる!”と共感してもらえたらいいこともありますから」

「女に生まれてよかった」

――好きな作家は?

「小説は司馬遼太郎さん、コナン・ドイル、アガサ・クリスティとかから入りました。小学生のときに読んで覚えているのはドリトル先生シリーズですね」

――会ってみたい作家は?

「緊張するやろうけど、川上未映子さんです。眼光鋭そうですよね(笑)。18歳、19歳くらいのときに『乳と卵』を読んで、“かっこいいな”と思ったん覚えてますね。芸人なりたてぐらいやったんですけど、『女に生まれてよかった』と思ったの初めてかもしれないですね」

――「女に生まれてよかった」というのは?

「芸人やるんやったら男の方が絶対いいと思ってたから。でも、それ読んだときに“男の倍面白がれてる自信がある”と思ったんですね」

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