グローバルダイニングが瀕死の外食産業で一人勝ち 「深夜営業」「酒」提供で奇跡のV字回復

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軌跡のV字回復!?

 毎日新聞は1月17日、「新型コロナ 時短要請、外食の乱 都の協力金、大手は対象外 『雇用守れぬ』苦渋の営業」との記事を掲載した。この中でグローバルダイニングの様子が詳報されている。

《居酒屋「権八(ごんぱち)」の西麻布店は午後8時を過ぎても庭木のイルミネーションが輝き、カップルや仕事帰りの会社員のグループなどが次々と店に入っていった》

《運営する東証2部上場のグローバルダイニングは、宣言下の首都圏1都3県にある約30店で時短要請に応じていない。同社の広報担当者は「店名を行政に公表されても覚悟の上だ」と言い切る》

 ところが、である。同社の売上高は回復基調に乗っていく。まず2月の売上高は、宣言が解除になったこともあり、6億3498万円まで回復した。

「都は3月、グローバルダイニングに対して全国初の時短命令を発します。同社はこれを最終的には無視し、逆に都を提訴しました。マスコミ各社は、これを大きく報道。社会的関心事となる中、3月と4月は6億円の売上高をキープし、5月と6月は7億円台に上昇させました」(同・関係者)

コンプライアンス問題

 ちなみに4月の売上高は6億7814万円で、前年対比が467・4%という見たこともない数字が記録されている。もちろん、前の年があまりにも悪かったことから生じた数字のマジックだ。

 回復基調にあるとはいえ、2019年の平均月売上高である約7億5854万円を突破したのは、今年5月と6月に過ぎない。

「とはいえ、大手から個人店まで、時短やアルコール自粛の要請を守った外食店からすれば、到底、信じられない数字です。その手法には様々な意見があるでしょうが、グローバルダイニングがコロナ禍で唯一の“勝ち組”と言われるゆえんです」(同・関係者)

 問答無用の落ち込みから、“軌跡のV字回復”を果たした経緯を、折れ線グラフにしてみた。

「グローバルダイニングの方針に賛成する人は運営されている店に行き、賛成できない人は店に行かなければいいだけだ、という考えがあります。それが正論だとは思いますが、1つだけ気になることがあります。仮にも上場企業なので、コンプライアンス(法令遵守)が求められることは言うまでもありません。訴訟を起こすほどですから、同社は経営哲学に基づいて行動しているのでしょう。とはいえ、銀行が懸念を示しても不思議はありません。今後、同社が融資を求めた時、銀行がどう動くかは関心が集まると思います」(同・関係者)

デイリー新潮取材班

2021年7月15日掲載

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