警視庁捜査で分かった老舗「かっぱ寿司」の落日 「スシロー」「くら寿司」の二強時代へ

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二強時代の到来

「巻き返しを図ろうとして、かつてはま寿司で役員も務めた田辺社長を迎え入れたのは間違いありません。事件の背景には、回転寿司業界における“合従連衡”の歴史が影響を与えたと思います。先に紹介した通り、はま寿司とかっぱ寿司は合併する話があったわけです。田辺社長からすると、実に気軽な気持ちで『ちょっと売上を見せてよ』と頼んだのではないでしょうか」(同・関係者)

 そこまでして売上データを見たいものなのかという疑問も湧くが、やはり役に立つのは間違いないという。

「大学受験の模試で、友人の採点済の答案用紙を見せてもらうようなものでしょう。はま寿司のデータと、かっぱ寿司のデータを比較すれば、得意な部分と不得意な部分が一目瞭然になるはずです」(同・関係者)

 スシロー、くら寿司、はま寿司、そしてかっぱ寿司と、一応はこの4社が大手として扱われている。だが、実際は違うという。

「スシローとくら寿司の二強体制が確定しました。回転寿司の国内市場も飽和状態を迎えています。スシローとくら寿司は海外進出に力を入れていくでしょう。一方、地方発の回転寿司のように、小さくても元気があり、消費者の支持を受けているチェーンもあります。それに挟まれるようにして、今いちばん苦しいのが、真ん中に位置する規模の回転寿司で、まさにかっぱ寿司が当てはまります。同社の今後については不透明と言わざるを得ません」(同・関係者)

デイリー新潮取材班

2021年7月12日掲載

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