コロナで需要増、リノベでつくる「ミニマムな書斎」が在宅ワークの効率を上げる

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 コロナ禍で急激に広まった在宅ワークだが、オフィスと同じように仕事ができるスペースの確保や安定したネット環境の整備といった問題とともに、部屋が散らかる、常に仕事のものが目に入ってしまうなど、仕事とプライベートの切り替えが難しいと感じている人も多いという。旭化成ホームズくらしノベーション研究所の調査でも、調査対象の女性の7割が「日常生活との混在」を在宅ワークでの困りごととして挙げている。リビングのテーブルが“仕事場”では、メリハリがつけにくくオフィスよりも集中力が続かないのかもしれない。

 おうち時間が増えていることもあいまって、自分の暮らしや住まいを見つめ直している人も多いなか、現在の自宅をより自分らしく、心地よい環境に変える「リノベーション」に注目が集まっている。空間を全面改装するフルリノベーションから、一部のみ改修するプチリノベまで、さまざまな方法を自分で選べるのもリノベの魅力のひとつだ。

 リノベーションの大手「リノベる。」のCXTテクノロジー本郡 UXクリエイティブ部・菅ななえさんによると、「コロナ禍で住まいに対する関心は高まっています。中でもワークスペースについての相談は多いようです。在宅ワークなどを通して、今まで感じていなかった、自宅の意外な“暮らしにくさ”に気が付き始めたのかもしれません」。

 リノベる。の表参道ショールームでは、寝室のウォークインクローゼット内にデスクと照明を設置した「書斎」がある。

「ひと部屋を書斎にあてることなく、空間を有効活用して“個室”をつくれるので、見学したお客様からもご好評いただいています」(菅さん)

 また、同じく菅さんによると「ワークスペースといっても、単に作業ができる机と椅子があればいいというわけではなく、照明や配置によっていかに集中できるスペースを確保するかが重要になっている」らしい。

 子育てや食にまつわるエッセイ漫画で人気のイラストレーター・たかはしみきさんも、リノベーションで自宅内に“仕事場”をつくった体験をエッセイ漫画『リノベ暮らしはじめました』に描いている。

「壁の天井付近があいている半個室ですが、リビングなど生活空間から仕切られていることで、集中力が断然増しました。予算の都合でガラス欄間の取り付けができず完全な個室は諦めざるを得なかったのですが、半個室でも作って本当によかったです」

 新しい生活様式において、ミニマムでも完全な個室でなくても、自宅内に“仕事場”を確保することが、在宅ワーク成功のカギなのかもしれない。

デイリー新潮編集部

2021年7月3日掲載

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