「クラフトコーラ」人気の秘密 新商品が続々と…ブームの理由をコーラマニアが解説

エンタメ 2021年07月01日

  • ブックマーク

 最近、「クラフトコーラ」商品が続々と増えている。その名を聞いたことがあっても、実際に飲んだことがあるという人は、意外と少ないのではないだろうか。コーラ専門サイト「コーラ倶楽部」代表で、専門メディア「Cola-Fan」の編集長も務める空水りょーすけ氏が、知られざるクラフトコーラの世界を紹介する。

 ***

「クラフトコーラ」と呼ばれる飲み物を、皆さんはご存じですか?クラフトコーラとは、その名の通り「手作りのコーラ」ないし「手作り感のあるコーラ」全般を差します。しかし、はっきりとした定義が存在するわけではありません。多くは柑橘類や砂糖、スパイスやハーブ類にこだわって丁寧に作られたコーラで、その味わいは新鮮で深みがあり個性的で、「生のコーラ」という表現がぴったり。そして、そんなクラフトコーラがこの数年で爆発的に増加をしています。

 なかでも今年6月の勢いはすごいものがありました。これまで比較的小規模に作られることが多かったクラフトコーラですが、大手企業から続々と商品が登場したのです。6月半ばにカルディコーヒーファームが「ドライクラフトコーラ」を売り出したのを皮切りに、20日には高級スーパーの成城石井から「成城石井クラフトコーラ」、21日にはポッカサッポロフード&ビバレッジから「THE CRAFT COLA」。そして22日には、あのペプシコーラも「ペプシ〈生〉」という、どこかクラフトコーラに寄せた商品を販売しています。なぜこんなにも、クラフトコーラが続々と登場するのでしょうか?

 ブームの様相を呈しているクラフトコーラですが、火付け役は、「伊良(いよし)コーラ」と「ともコーラ」という二つのクラフトコーラブランドです。どちらも2018年に誕生し、現在まで業界内に君臨し続ける「二大巨頭」です。そして、この二大ブランドの登場以降、クラフトコーラの開発が北海道から沖縄まで全国的に行われました。そして現在、私が調査する限りでは300種類を超えるクラフトコーラが誕生しています。

コーラが「誰でも作れる」ことに気づいた

 クラフトコーラという言葉が登場する以前、コーラの製造販売は工場をもつ飲料メーカーが殆どでした。というのも、工場で大量生産したコーラを安定的に供給するためには、安価な甘味料や香料、そのほか添加物の使用が欠かせません。使用の是非はともかくとして、こういった業務用の原料は、小規模な生産者はなかなか入手しにくかったのです。

 また、レシピの問題もありました。コーラのラベルの原材料の表を見ても、「甘味料、香料、酸味料、着色料」と書かれているだけで、コーラを作るのに何が必要なのかは分かりません。ゆえに、飲料メーカーのコーラの真似をすることは非常に難しかったのです。もちろん、自家製コーラのレシピというものは当時からネットにありましたが、一般的ではありませんでした。そのため「コーラは作るものではなく買うもの」と誰もが思っていたのです。

 そんな時代にコーラを自作しようと思い立った方が、先述した伊良コーラ代表のコーラ小林(小林隆英)氏です。小林氏は偶然ネットで『100年以上前に書かれたコカ・コーラのレシピ』を発見し、「感動するほどの究極のコーラを作りたい」との想いから、コーラづくりを究めることにされたそうです。そうして作られた伊良コーラが評判になるにつれ、クラフトコーラも認知されていき、「コーラって手作りできるんだ」と気づく人が増えていきました。

 クラフトコーラの原材料は、飲料メーカーのものとは異なり、主にきび糖やてんさい糖等の砂糖、レモンやライム等の柑橘類、ドライのスパイスやハーブが使われます。これらはスーパーでも入手しやすく値段も手頃です。最近ではクラフトコーラ用にスパイス類を小分けにした商品も販売されています。このように、誰でも簡単にコーラが手作りできる環境が急速に整備されていきました。今ではネット上にクラフトコーラのレシピが散見され、youtubeでは製造過程を撮影した動画も投稿されるようになりました。

次ページ:地域をPRできる

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]