「クラフトコーラ」人気の秘密 新商品が続々と…ブームの理由をコーラマニアが解説

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2021年07月01日

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地域をPRできる

 いわゆる「ご当地商品」として売り出しやすいことも、クラフトコーラブームの一因でしょう。先述の「ともコーラ」は、天然由来の材料を使用した完全無添加が特長で、ブランドを手掛ける調香師の古谷知華氏は、2019年から「ご当地クラフトコーラプロジェクト」を展開。これまで多くの地域で地元の生産者の方々と協力し、その土地土地の農作物を使用したクラフトコーラを開発しているのです。

 例えば「高知クラフトコーラ“sawachina”」には、県産の柑橘類や和ハーブなどが使用されています。「sawachina」という名前の由来は高知の郷土料理の「皿鉢(さわち)料理」に由来し、色々な料理を一つのお皿に乗せて楽しむ食文化を、クラフトコーラで表現しようとしているのです。sawachinaはシリーズ化しており、現在3種類の異なる高知の味をコーラで感じることができます。

「ぎふコーラ」は地域の薬草文化を未来へと守り続けることを目標とし、岐阜県の旧春日村で採れたよもぎ・かきどおし・どくだみ・ヤブニッケイなどの薬草が使用されています。薬草の存在感を楽しみながらも、コーラ全体の調和は取れているバランスの取れた味でした。

 この他にも、全国には様々なご当地クラフトコーラが存在し、地産の農作物を使用したり、地域課題解決へ挑戦したりしています。似たような例として「地ビール」が思い浮かびますが、地域をPRするアイテムとしては、老若男女が楽しめるコーラは適任といえるでしょう。

需要は十分にある

 すでにクラフトコーラを飲んだことがある人には、「高い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかたもいるかもしれません、最近は安価な商品も登場しているとはいえ、クラフトコーラの価格のボリュームゾーンは、だいたい500円前後。自分で炭酸水を用意し希釈(大体3~4倍)するシロップタイプの商品もあるのがクラフトコーラの特長ですが、こちらは、200mlの瓶で1000~2000円程となります。一般的な感覚としては、たしかに「高い」と感じることでしょう。しかし、この価格にふさわしい価値があり、なにより高い需要があるのです。クラウドファンディングサービスで様々なクラフトコーラのプロジェクトが企画され、続々と成功を収めているのがその証拠でしょう。

 瀬戸内の魅力を詰め込んだ「瀬戸内三豊コーラ」は、今年3月8日にCAMPFIREで先行販売向けのクラウドファンディングをおこない、わずか1日で目標金額の70%を達成するという驚異的な記録を打ち立てています。最終的には目標金額の2倍以上となる103万3300円の支援が集まりました。

「Jiu 慈雨」というクラフトコーラを販売する福島の合同会社SHINRAも、今年5月22日にMakuakeで新規ドリンクのプロジェクトを開始し、三時間足らずで目標金額を達成しました。支援募集は今も続いており(7月4日まで)現時点で150万円を超える支援がなされています。このように、「高くても、良いものを飲みたい」と考える需要が確かに存在するのです。

 また、新発売のクラフトコーラが、すぐ売り切れたり品薄になったりすることが多いです。カルディの「ドライクラフトコーラ」は発売後ずっと品薄状態で、私も入手するのに苦労をしました……。このように、新しい種類のクラフトコーラを発見した時には、既に売り切れているということもよくある話です。

 むしろ、個人的な感想をいえば、すでにクラフトコーラファンの需要に、供給が追い付いていないように感じます。そんなところに、大手から続々とクラフトコーラが登場したわけです。より広く存在が知られるようになるであろう今後は「クラフトコーラ不足」が懸念されます。というのも、先述したようにクラフトコーラは「大量生産・大量消費」の真逆に位置しており、簡単に増産できるものではないからです。 

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