伸びた眼球を戻す「眼軸リセット法」 「緑内障」「眼精疲労」を予防

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 年齢を重ねるほどに侮れなくなる目の不調。眼精疲労や近視に始まり、間違えば緑内障による失明危機も現実になる。だが、自宅でできる簡単なエクササイズで、目の健康は取り戻せるのだ。伸びてしまっているあなたの眼球を再び丸くする眼軸リセットである。

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 眼精疲労、近視、ほかにも緑内障や網膜色素変性症をはじめとする目の疾病など、目の不調を訴える人が明らかに増えています。

 特にここ数年は、スマートフォンやパソコンを眺める時間が飛躍的に増え、さらには新型コロナウイルスの感染拡大を機に、リモートワークが提唱されたため、その状況に拍車がかかっています。そこに目のトラブルが急増している原因があるといわれています。

 事実、若年性の近視の急増は社会問題化しています。また中高年以降では、眼球内の血流が低下して緑内障を発症するケースも増えていますが、緑内障は中途失明の原因の第1位。気づかず放置すると危険です。

 実は、それらの原因の多くは「眼軸長」の伸びに求められます。「眼軸長」は聞きなれない言葉かもしれませんが、眼球内の角膜から網膜までの距離を指します。言い換えれば、目の表面から奥の神経までの長さ。眼球に上から圧力がかかって、この眼軸長が伸びてしまっている人が多いのです。

 ここで近視の種類を確認しておきましょう。全部で四つあります。

(1)屈折性近視。これは目の水晶体のゆがみが原因です。(2)仮性近視。近くを見続けているとピントを調整する力が一時的に失われて、焦点が定まらなくなるのがこれです。(3)軸性近視。「眼軸長」の平均は24ミリほどで、長くなるとピントが網膜の手前に合って、遠くが見えにくくなります。(4)病的近視。眼球の後ろが異常に膨らんだり、眼球が変形して失明の危機につながったりするものです。

 なかでも特に増えているのが軸性近視で、これがやっかいなシロモノです。眼軸長が長くなっているのは、眼球自体が前後に押し伸ばされた状態で、すると網膜や視神経に負担がかかります。その結果、目にさまざまな異常が生じ、網膜剥離などの障害につながる危険性もあるといわれます。

 ところが医学的には、伸びた眼軸長を短くする方法は、見つかっていないとされています。

眼窩を広げて眼圧を下げる

 では、医学の世界では、眼軸長の問題にどう対処するように推奨されているかというと、成長期に意識することが大事だというのです。つまり、眼軸長は年齢を重ねるごとに少しずつ伸び、それにつれて目は衰えるので、早くからなるべく目にストレスを与えないように心がけ、衰えるのを遅くしようというのです。

 それでは、中高年になって気づいてもあきらめるしかない、というのに等しいではないですか。

 実は、医学は大切なことを見落としています。眼軸長と眼圧の関係です。なぜ眼軸長は伸びてしまうのでしょうか。それは骨で囲われた、眼球のポケットの部分、すなわち眼窩が縮小し、その影響で眼圧が上昇するから。つまり、眼球が骨に押され、前後の方向に伸びてしまうからなのです。

 私がその大切なことに気づいたのは、骨格矯正を始めた当初から、お客さんの眼窩を広げると、「視界が明るくなった」「ものがハッキリ見えるようになった」「視力が上がった」など、目になんらかの効果があったという声が、次々と上がったためです。

 そのことから、眼窩が縮んで眼球が圧迫され、眼圧が上昇すると、眼球内の血流が悪化し、緑内障などの重大な病気にも直結することに気づきました。

 昨今の近視は軸性近視が中心で、それは増え続けているのに、お話ししたように、医学的には対処できないことになっています。しかし眼窩の縮小、つまり医学が無視している「骨」の変形に着目することで、改善するためのヒントが見えてきたのです。

 縮んだ眼窩を広げて眼圧を下げ、視力を回復するためのメソッドは、15万部のベストセラーになっている私の著書『眼圧リセット』(飛鳥新社)でもさまざまに紹介しています。この特集ではさらに踏み込み、眼軸を整えるメソッド、つまり眼圧を下げて眼球を垂直方向に伸ばし、眼軸長を元に戻すためのエクササイズも紹介したいと思います。

 これから紹介するのは、狭くなった眼窩を広げるために、骨格を矯正するエクササイズです。だれでも自宅で、簡単に行うことができます。

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