オナイウ阿道が大迫勇也の後継に名乗り 上田綺世との争いへ

スポーツ

  • ブックマーク

Advertisement

J2山口で才能開花

 6月15日、カタールW杯アジア2次予選の最終戦で日本はキルギスを5-1で退け、全勝で9月から始まるアジア最終予選進出に花を添えた。

 ***

 11日のセルビア戦からボランチの守田英正(26)以外の10人を入れ替えた森保一監督(52)。今シリーズで初招集の坂元達裕(24)、2度目の川辺駿(25)、大迫勇也(31)の負傷により追加招集されたオナイウ阿道(25)をスタメンで使うには、この試合しかなかったのも確かだ。

 そして3人ともその期待に応えた。実力差はあったものの、キルギスは旧ソ連だっただけにフィジカルはヨーロッパ人に近い。このためフレッシュな序盤は球際の競り合いで坂元らを圧倒した。

 しかし時間の経過とともに日本のパスワークに後退し、ゴール前に人数を割いて守るようになる。ここで躍動したのがオナイウ阿道だった。

 当初発表されたメンバーで、FW登録は大迫と浅野拓磨(26)の2人しかいなかった。しかし浅野はMF登録の伊東純也(28)、古橋亨梧(26)と同じスピード系の選手で、1トップでもサイドでもプレーできる。

 逆に大迫のようにポストプレーができるオールラウンダーはなかなかいない。故に大迫は「替えの効かない」絶対的なエースだった。彼の後継者候補となると、U-24日本代表の上田綺世(22)くらいしかいなかった。

FWの基本

 そこに名乗りを上げたのがハットトリックを達成したオナイウ阿道である。今シーズンのJ1リーグで10ゴールは日本人トップ。それが評価されての追加招集だったことは間違いない。

 そして今シーズン好調な彼の特長が最もよく表われていたのが31分の2点目と33分の3点目である。2点目は坂元とのワンツーで抜け出した川辺のクロスを押し込んだゴールだったが、川辺のドリブルに反応して最初はニアに走ってマーカーをつり出し、瞬時にファーへ流れて左手でGKとDFの間にクロスを要求した。

 その意図を川辺も瞬時に理解し、「阿道があそこに入ってくるのはわかった。上手くアイコンタクトを取った瞬間に裏を取ってくれたので、あそこに出すだけだった」と振り返る。

 3点目はバイタルエリアでパスを受けると原口元気(30)にはたいて、そのままペナルティエリア左に入る。そして左SB小川諒也(24)にパスが渡ると右サイドのファーに流れてヘディングで押し込んだ。何気ないようにポジションを移動しながら、敵GKとDFとボールを持っている味方選手の3つを視野に入れる、FWにとって基本とも言えるプレーだ。

次ページ:強いフィジカル

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。