ピノ「ピスタチオ味」が大人気 ピスタチオブームで囁かれる不安とは?

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ピスタチオ味は高級品

 ピスタチオ味の商品に共通するひとつの特徴として、通常より価格が高いことが挙げられる。

 例えば、チョコレート味の「ピノ」の価格が140円(税別)なのに対し、先述の「ピノ ピスタチオ」は40円高い180円(税別)。同じく期間限定商品で、一次販売休止するほど人気になった「ピノ やみつきアーモンド味」が160円(税別)だったことを考えると、それよりも20円高い「ピノ ピスタチオ」は、「ピノ」の超高級ラインと言えるかもしれない。

 他のピスタチオ商品も同様だ。

 ローソンの「ウチカフェ ピスタチオ ワッフルコーン」は、298円(税込)とミルク味の商品より価格は60円高い上に、内容量は20ml少ない。「ウチカフェ 贅沢チョコレートバー 濃密ピスタチオ」も、チョコレート味に比べて17円高い215円(税込)。「さくさくぱんだ ピスタチオ&ダブルベリー」に至っては、通常の「さくさくぱんだ」の2倍近い298円(税込)となっている。

「ピスタチオは、ナッツの中でも特に価格が高いんです。クルミやアーモンドの倍ほどで、マカダミアナッツと同等の水準です。ピスタチオ味の商品も、原材料にピスタチオを使うことで商品の値段が上がってしまうのではないでしょうか。価格を高くしても売れるということは、それだけピスタチオ味を求める方が増えているということでしょうね」(同)

着色料入りのピスタチオ商品も……

 では、なぜピスタチオはここまで人気があるのだろうか。

「ピスタチオは、オレイン酸という良質な脂肪酸や、食物繊維、ビタミンB、カリウムなど体に良い成分が豊富に含まれ、健康志向の方には罪悪感なく楽しめる『ギルトフリー』なおやつとして人気が高いです。ただ、栄養成分の良さは、アーモンドやカシューナッツ、クルミなどのナッツ類に共通した特徴なので、ピスタチオだけが特に優れているというわけではありません。むしろピスタチオは、他のナッツに比べ価格が特に高いので、おやつとして日常的に食べるならアーモンドなどの方が適しているかもしれません。それでもピスタチオの人気が高い理由は、“ピスタチオグリーン”と呼ばれるその特徴的な色のおかげだと思います」(同)

 確かに、ピスタチオを使ったアイスやお菓子などは、全面に“ピスタチオグリーン”が配された鮮やかなパッケージで、売り場でも一際目立っている。商品そのものも、薄いグリーンで華やかだ。

「ピスタチオは価格が高いので、製菓材料としてたくさん使用することは難しく、お菓子やアイスなどに使われているピスタチオはごく少量なのではないでしょうか。ただ、鮮やかな“ピスタチオグリーン”の色を出すには、それなりの量のピスタチオを使用しないといけないと思うのですが……」(同)

 そこで、“ピスタチオグリーン”のいくつかの商品の原材料表示を確認すると……。

〈着色料(クチナシ、カラメル、カロチノイド)〉、〈着色料(カロチノイド、クチナシ)〉、〈クチナシ色素、紅花色素〉、〈着色料(カラメル、スピルリナ青、クチナシ)〉と、様々な着色料が並ぶ。どうやら鮮やかな “ピスタチオグリーン”は、着色料で作られた色だったようだ。さらに、原材料に〈香料〉が含まれるものもあり、ピスタチオ特有の華やかな香りにも、秘密があるのかもしれない。

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