ピノ「ピスタチオ味」が大人気 ピスタチオブームで囁かれる不安とは?

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「ピノ ピスタチオ」(森永乳業)が売れている。ピスタチオといえば、2枚の殻を手で剥いて食べるお酒のつまみをイメージするかもしれないが、最近人気を集めているのは、ピスタチオ味のアイスやお菓子である。

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 5月31日に、全国のコンビニエンスストアにて先行発売が始まった期間限定の「ピノ ピスタチオ」は、一時は売り切れる店も続出したほどの大人気商品となった。コロコロチキチキペッパーズのナダルが、芸人ピスタチオの白目を剥くギャグをした新聞広告も話題になり、〈ピノ史上初〉という売り文句でピスタチオブームを牽引する商品となっている。

「ピノ」以外にも、「さくさくぱんだ ピスタチオ&ダブルベリー」(カバヤ食品)、「セブンカフェ ピスタチオクッキー」(セブン-イレブン)、「香ばしピスタチオのプリン」(ファミリーマート)など、最近コンビニではピスタチオ味の商品が多数目につく。

輸入量も増加

 ブームの兆しは、ピスタチオの輸入量にも表れている。主な輸入元は、アメリカやイラン、イタリアなどで、2020年の「殻付きピスタチオ」の輸入総量は、前年比110.9%。製菓材料に使われる「殻を除いたピスタチオ」の輸入総量に至っては、2012年と比べて約2.3倍に増加している(「神戸税関」資料より)。

 日本最初のナッツメーカーで、殻付きピスタチオやピスタチオペーストを取り扱う「東洋ナッツ食品」(株)も、ピスタチオブームの到来を感じているという。

「もともと日本に輸入されるピスタチオは、おつまみなどスナックとして食べられる『殻付きピスタチオ』がメインでした。昨年の輸入量をみても、殻付きが約1724トンなのに比べ、製菓材料になる『殻を除いたピスタチオ』は約465トンと、4分の1ほどです。アーモンドやクルミなど他のナッツ類に比べると、ピスタチオ全体の輸入量は少なく、徐々に減少傾向にありました。ところが、ここ5年ほどで製菓やパンメーカーからの需要が拡大したことに伴い、輸入量も増え、じわじわとピスタチオブームの広がりを感じています」(東洋ナッツ食品の担当者)

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