大卒なのに高卒と偽り…15年間で学歴詐称が発覚した神戸市職員は50人 就職氷河期が影響

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大阪市は965人

 2006年以降、学歴詐称が発覚した職員は計50人にも及ぶ。いくらなんでも多すぎやしないか。

「やはり、就職氷河期だったということが大きな原因でしょうね。学歴詐称が起こらないように、2006年度の採用試験から出身高校に卒業後の経歴を確認しています。今後学歴詐称は出てこないでしょう。数が多いとのご指摘ですが、2007年に大阪市は学歴詐称の自己申告を行っており、965人が申し出ています。同じく横浜市は507人が申し出ています。いずれも定職1カ月と、かなり緩い処分でした。神戸市だけが突出して多いわけではありません」(同)

 それにしても大阪市で1000人近く、横浜も500人以上とは……。

 大阪市の關淳一市長(当時)は2007年6月の記者会見で学歴詐称についてこう言及している。

《大変な不況の時期にひとつの山があるように思います。就職難の中でそういうことへ走ってしまったのではないかと思っています。(中略)この調査の方法は、事前に処分内容を公表して行ったので、ほぼこれで完全に全容を把握できたのではないかと思っています。表現を変えれば、ウミは出し切れたのではないかと思っています。(中略)やはり一義的には、高卒の方の採用のチャンスを奪ったというか、就職者の立場に立てば、就職の機会を奪ったという、そういう意味では、厳しい時代であったということは言い訳にならないと思います。》

 神戸市の場合、学歴詐称が発覚すればクビになる。まだ本当のことを言っていない人がいるかもしれない。

デイリー新潮取材班

2021年6月9日掲載

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