NHK岩田明子氏が政治部から異動でショック 安倍前首相との蜜月がネックに

国内 社会 2021年6月4日掲載

  • ブックマーク

2度目の辞任もスクープ

 安倍晋三前首相(66)に最も食い込んだ記者として知られるNHKの岩田明子氏(51)がこの6月の人事で政治部を離れることになり、ショックを受けているという。

 東大法学部を卒業後、1996年に入局した岩田氏は岡山放送局を経て2000年から政治部に異動し、それから一度も東京どころか政治部を離れることなく権力者の一挙手一投足をすぐそばで取材してきた。

 とりわけ安倍前首相の官房副長官時代から番記者として食い込み、自宅にも上がることを許され、安倍氏の母でゴッドマザーこと安倍洋子氏からも全幅の信頼を得てきたという。

 岩田氏と言えばスクープである。NHKではない社の政治部記者は、

「ニュース7でもウオッチ9でも何でもいいですが、前の番組が終わろうとするあたりで速報のテロップが出て、実際に番組が始まると岩田さんが座っていてアナウンサーから話を振られて立て板に水のように解説する……というシーンが幾度となく繰り返されましたね。最初の頃は悔しい気持ちがありましたが、最後の方はもう諦めていました(笑)」

 安倍氏は2006年9月に新政権を発足させたが、わずか1年で辞任となり、その後12年12月に再び首相に返り咲き、20年9月までその座に留まった。1度目の辞職もさることながら2度目の辞任も世間を大いに驚かせたが、その際にも岩田氏がスクープしていた。

 ニュース番組が放送中の8月28日14時7分に、〈安倍首相 辞任の意向を固める 持病悪化で国政への支障を避けたい〉とテロップが流れ、アナウンサーが「今入ってきたニュース」として、辞任のニュースを読み上げる。その後に岩田氏が登場し、新しい薬の具体名まで挙げて辞任の理由について解説。あたかも、17時からの首相本人による会見の露払いのようで、安倍氏に最も食い込んだ記者であることをこのうえなく証明するものだった。

首相に話を聞くことができるのだから

 その後、自民党総裁選を菅義偉氏が勝ち抜き、新首相に指名されたわけだが、岩田氏は菅氏に食い込むことはできなかったという。

「そもそもひとりの政治家に深く絡めばそれだけ、別の人とも同じようにというわけにはいかないでしょう。ただ、岩田さんの場合は、首相に話を聞くことができるならそれが一番でしょ、私はそれができるのだから、女房役の官房長官に聞いたって意味ないでしょ、というようなスタンスだったようです。ま、その通りなんですが(笑)、それが露骨に現れていたりすると、誰だって面白くはないですよね」

 安倍氏の辞任後、岩田氏のスクープがなくなるのは必然だったのかもしれない。

「もうひとつ、岩田さんの問題というか岩田さんの上司の問題なのかもしれませんが、公共放送として偏り過ぎたことは否定できないでしょう。一国の宰相の体温まで知る記者がスクープを取ってくるのは良いとしても、もう少し偏りなく報じることはできなかったのかなぁと思いますね」

 そして今回の人事で、政治部を離れることになった岩田氏。NHKのある局員によると、

「岩田さんは現在、政治部の副部長という立場で解説委員を兼務していますが、これからは政治部を離れて解説委員がメインとなり、ネットワーク報道部の記者主幹を兼ねることになります。ネットワーク報道部は新聞で言うと地方部のような位置づけと考えてもらえばいいかもしれません」

次ページ:政治部の「菅シフト」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]