名古屋「持続化給付金詐欺」 共犯“元モデル美女”の「経緯報告書」が描写する「副大臣元スタッフ」との恋愛事情

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結婚をエサに

 熊田裕通総務副大臣の元事務所スタッフ、加藤裕容疑者による「持続化給付金詐欺」が最初に立件されたのは今年3月。加藤容疑者を主犯格とする詐欺グループには彼の愛人だった元モデルの美女もいるのだが、愛知県警の捜査の進展とともに、二人の「恋愛事情」も浮き彫りとなった。

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 加藤容疑者は、受給資格のない大学生らをセミナーに集め、自民党代議士事務所の名刺や菅義偉首相とのツーショット写真を箔付けに利用しては、不正受給を持ちかけていた。詐欺グループは、給付金申請を代行した行政書士や「受給対象者」の大学生や会社員ら6名。そのなかに、加藤容疑者の元愛人、山口悦子容疑者も含まれる。

 実のところ、彼女は、結婚をエサに食い物にされた被害者という面も否めないのだ。逮捕前に山口容疑者が書き記した「経緯報告書」によると、二人の出会いは18年2月。加藤容疑者が主催する会合で、たまたま、山口容疑者が司会の仕事をしたのだとか。

 それから2年近くが経ち、彼女がアルバイトでホステスをしていた店で再会。すぐに加藤容疑者からプロポーズされ、友人知人や仕事先にも婚約者と紹介されるようになった。

「なんとも思ってない」

 結婚願望が強かった山口容疑者は、「悦ちゃんと結婚したい」という加藤容疑者の言葉に丸め込まれ、クレジットカードを差し出すはめに。彼女の銀行口座はスッカラカンになったそうである。

 事件では、加藤容疑者の指示で、女性の個人事業主らに持続化給付金の制度を知らせ、自民党への入党を勧める活動も行った。とはいえ、騙し取った給付金の分け前に与ることもなく、そもそも、罪の意識もないままに詐欺の片棒を担がされていたのだという。

 4月に入り、加藤容疑者の再逮捕に伴って山口容疑者の手も後ろに回った。彼女は未だに一貫して容疑を否認しているが、逮捕前、捜査員には「なんとも思ってないです」と、加藤容疑者への思いを洩らしていた。

 持続化給付金詐欺の共犯であると同時に、「結婚詐欺」の被害者。その人間模様はなかなか複雑だ。

週刊新潮」2021年6月3日号「MONEY」欄の有料版では、山口容疑者の「経緯報告書」の内容と逮捕前の取り調べの様子を詳報する。

週刊新潮 2021年6月3日号掲載

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