TBS「サンデーモーニング」原発処理水の報道で批判殺到 元担当大臣が指摘する問題点

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目加田教授の“恐怖”

 まず目加田教授の発言から紹介しよう。ちなみに目加田教授は国際政治が専門で、地雷の廃絶運動で知られている。そして原子力の専門家ではない。青木氏も同様なのは言うまでもない。

《健康には大きな被害はないんだということが言われてますけど、分からないこともたくさんあるんですよね。実際にそうではないと、いうことを指摘する研究者たち、医学者もたくさんいるわけですね》

《30年40年、ずっと放出し続けるわけじゃないですか。と、それがどういう影響を、環境だけではなくて人体に及ぼしていくのかということも分からないわけですよね》

《海洋放出以外にオプションはなかったのかな、と。どんなことを検討して、それぞれにどれだけのコストがかかるのか、と。で、最終的に海洋放出に至ったというところの経緯の説明もほとんどないんですよね》

《海洋放出を今回スルーしてしまえば、本当に膨大な放射性廃棄物の処理も今後、まあいいんじゃないか、捨てちゃえとか、っていう話になりかねないですよね。そこも怖いです》

「汚染水」と「処理水」

 朝日新聞の記事はしっかりと科学的なデータを示していた。これに対し、目加田教授のコメントは、データを「本当のところは分からない」と明確な根拠を示さずに否定し、「とにかく不安だ」と個人的な感想を言ったに過ぎないことが分かる。

 では、青木氏の発言はどのようなものだったのか、こちらも一部をご紹介しよう。

《人類史でも最大級の原発事故をこの国は起こしてね、福島、僕も取材で通ってますけれども、皆さんご存知の通り、10年経っても今度は汚染水を放出するなんて話をしている》

 青木氏の発言で問題なのは、「汚染水」と「処理水」を一緒くたにしているところだ。ただし、先に紹介した朝日新聞の解説記事でも、「汚染水」の単語しか使っていないのは事実だ。

 福島県在住のフリーランスライター・林智裕氏は2019年10月、現代ビジネスに「原発『処理水』を、なぜマスコミは『汚染水』と呼び続けたのか」を寄稿した。

 文中では、朝日新聞の記事などに「汚染水」と「処理水」の混同が認められると指摘。《誤解や風評、的外れな批判も広まっている》一因になっているとした。

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