球団別に選出、パ・リーグを震撼させた21世紀「最強の4番打者」はこの男

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“繋ぎの4番"

 ロッテの4番は迷うところだ。2000年以降、ボーリック、メイ、フェルナンデス、ベニー、サブロー、里崎智也、井口資仁、金泰均、カスティーヨ、ホワイトセル、今江敏晃、デスパイネ、ペーニャ、井上晴哉、レアードらが4番を務めてきた。

 個人成績だけを見るなら、04年に不動の4番として打率.315、35本塁打、100打点の好成績をマークしたベニーが捨てがたく、1999年に自身が本塁打を打てばチームが22勝2敗1分けという「神話」を生んだボーリックも選びたいところだが、04年のチーム順位が4位、「ボーリック神話」が2000年以降という条件の1年前であることを考えると、彼らよりも05年の球団31年ぶりのリーグ優勝、さらに日本一のチームで“繋ぎの4番"として働いたサブローを指名したい。

 その通り名のとおり、20本塁打に到達したのは09年(4番としては2試合のみの出場)の一度だけだったが、チームへの貢献度の高さは数字以上のものがあった。ただ、他球団の4番に比べると物足りないのは事実で、昨シーズンにブレークした安田尚憲が今後、「不動」かつ「最強」の4番になることを期待したい。

老いて尚盛ん

 1995年、96年の連覇を最後に優勝から遠ざかっているオリックス(近鉄としては2001年に優勝)には、タフィ・ローズがいる。近鉄時代の印象が強く、巨人でもプレーしたが、オリックスでも07年から4番打者として3年間プレー。1年目に打率.291、42本塁打、96打点をマークすると、2年目の08年には打率.277、40本塁打、118打点で自身3度目の打点王にも輝いた。

 NPBでの現役最終年となった09年は怪我もあって84試合出場で規定打席に届かなかったが、それでも打率.308、22本塁打、62打点と今思えば十分な成績。当時41歳だったとはいえ、まだあと2、3年は活躍できたはずだ。そのローズの後は、カブレラ、T-岡田、李大浩、ペーニャ、ロメロらが4番を務めたが、不振や退団で定着していないだけに、吉田正尚に期待しながらも、彼を3番に置けるような頼れる4番の出現を待ちたいところだ。

 最後に、楽天の4番を見ると、球団創設初戦度から4番を務めた山﨑武司が印象深い。05年の時点ですでに37歳だったが、野村克也監督のアドバイスもあって老いて尚盛んとなり、07年には43本塁打、108打点をマークして2冠を獲得。2009年にも39本塁打、107打点を稼ぐなど、まだ戦力不足が顕著だったチームの中で4番として相手投手陣に脅威を与え続けた。球団初のリーグ優勝から日本一に輝いた13年の4番・ジョーンズや2015年から昨季途中まで在籍したウィーラーの働きも評価したいが、在籍7年で191本塁打を放った山﨑が最強の4番に相応しいだろう。

デイリー新潮取材班

2021年5月5日掲載

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