巨人、阪神、中日…セ・リーグ、21世紀の“最強の4番打者”は一体誰なのか?

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まさに“ゴジラ”

 長い歴史を積み重ねてきた日本のプロ野球。取り巻く環境は変われども、いつの時代もチームの顔として絶大な存在感を持った頼れる4番打者がいた。川上哲治と藤村富美男に始まり、王貞治、長嶋茂雄、野村克也……。さらに山本浩二、掛布雅之、落合博満、清原和博など、数々のレジェンドたちの名前が挙がる。では、21世紀に入って、各球団の“最強の4番打者”は誰なのだろうか。

 セ・リーグ6球団の中で、まずは巨人を考える。2000年からの2020年までの20シーズンの中で計10度(00、02、07、08、09、12、13、14、19、20年)のリーグ優勝を果たしているが、その1度目と2度目の優勝の立役者となったのが、4番・松井秀喜である。プロ1年目の1993年終盤から3番打者に定着していたが、2000年に初めて開幕から一度も4番を譲らずにシーズンを全う。いずれも自己最高更新となる打率.316、42本塁打、108打点をマークして、本塁打王、打点王、最高出塁率、ベストナイン、ゴールデングラブ賞、シーズンMVP、日本シリーズMVP、正力松太郎賞を獲得した。

 そして、日本最終年となった02年も、打率.334(リーグ2位)、50本塁打(同1位)、107打点(同1位)という圧倒的な成績で再びタイトルを総ナメにした。打席内での威圧感は、まさに“ゴジラ”そのもの。松井が海を渡った後は、李承燁、ラミレス、阿部慎之助らが巨人軍の4番として結果を残し、現在は岡本和真が新たな歴史を作り始めたが、「4番・松井」を超える者はまだ出ていない。

「アニキ」としての伝説も

 最近21年間で2度(03、05年)のリーグ優勝を飾った阪神では、やはり金本知憲だ。加入初年度の星野仙一政権下では3番打者が主だったが、2年目の04年に岡田彰布監督の下で不動の4番打者に君臨。05年には打率.327、40本塁打、125打点の出色の出来でリーグ制覇の原動力となり、リーグMVPにも輝いた。

「アニキ」として数々の伝説も残し、04年7月29日の中日戦で死球を受けた際には、左手首軟骨剥離骨折の怪我を負いながらもフルイニング出場を続け、翌日の巨人戦では右手一本で2安打をマーク。その年に打点王のタイトルを獲得するなど、まさに「鉄人」だった。10年以降は新井貴浩、マートン、ゴメス、福留孝介らが4番を務めたが、金本を超える影響力を持つことはできていない。

 落合博満監督の下で計4度(04、06、10、11年)のリーグ優勝を果たした中日では、タイロン・ウッズの働きぶりが目覚しかった。横浜での2年連続本塁打王の実績を携えて2005年に加入して4番に座り、ベースより離れた位置からの豪快なスイングで広角に大飛球を飛ばし、08年までの4年間で計155本塁打をマーク。2006年には、ともに球団記録となる47本塁打、144打点で二冠王に輝いた。その類まれなパワーだけでなく柔らかさも兼ね備え、4年間で2度の打率3割超え。06年10月10日の巨人戦での延長決勝満塁弾、08年CSで阪神・藤川球児を粉砕した決勝2ランなど、印象に残るホームランも多かった。その他にも、ゴメス、ブランコ、ゲレーロ、ビシエドと破壊力抜群の助っ人4番が揃う中日だが、「最高は誰?」と問われれば、ウッズだ。

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