巨人、阪神、中日…セ・リーグ、21世紀の“最強の4番打者”は一体誰なのか?

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オルガ夫人も話題に

 過去21年間で2度(01、15年)、歓喜に沸いたヤクルトにも、優れた助っ人4番が揃う。2001年から在籍7年で計211本を放ったラミレス、11年から在籍9年で計288本塁打を放ったバレンティンも「最高」の名に相応しいが、改めて振り返ると1999年から在籍4年で計160本塁打を放ったペタジーニを最上位に配置したい。加入初年から不動の4番に座って本塁打王に輝くと、2001年には打率.322、39本塁打、127打点で本塁打王、打点王、最高出塁率のタイトルを獲得するとともに、チームをリーグ優勝&日本一に導き、リーグMVPに輝いた。

 25歳年上のオルガ夫人も話題になったが、試合ではパワーはもちろん、優れた選球眼とバットコントロールでチームへの貢献度は非常に高かった。意見が分かれるところはであるだろうが、ラミレスが4番に座った時代に優勝はなく、14年ぶりの優勝を飾った15年の4番はバレンティンではなく畠山和洋であり、その畠山が実質1年のみの働きだったことも、ペタジーニを最高に推す材料とした。

 横浜時代から横浜DeNA時代となったベイスターズでは、ローズやウッズ、村田修一、ブランコ、筒香嘉智らが00年以降の主な4番打者に挙げられる。16年に打率.322、44本塁打、110打点で本塁打&打点の二冠に輝いた筒香、03、04年と2年連続本塁打王となったタイロン・ウッズの存在も捨てがたいが、改めて成績を振り返ると、07年に36本塁打、08年に46本塁打を放って2年連続で本塁打王のタイトルを獲得した村田を推したい。

 特に08年は打率.323、46本塁打、114打点の好成績を残しており、この数字は筒香よりも上だ。06年から7年間に渡って4番を務め、3年連続で100打点超え。それ以外のシーズンも含めると、横浜在籍9年間で計251本塁打、732打点をマークした継続性も筒香、ウッズを上回る理由の一つだ。

「神ってる」活躍

 25年ぶりのリーグ優勝から球団初の3連覇(16、17、18年)を果たした広島では、鈴木誠也だ。16年に「神ってる」活躍を見せた後、翌年4月11日に自身プロ初のスタメン4番に座ると、以降は故障離脱期間以外、常に4番を務めて打率.300、26本塁打、90打点をマーク。18年も打率.320、30本塁打、94打点の活躍でリーグ3連覇に大きく貢献。19年はチームが優勝を逃したなかでも、自身は打率.335、28本塁打、87打点と働き、首位打者と最高出塁率のタイトルを獲得した。

 さらに、昨年10月に行われた第2回プレミア12では、日本代表の4番として全試合に出場し、打率.444、3本塁打、13打点の大活躍で世界一&大会MVPに輝いている。2000年以降、金本知憲やラロッカ、新井貴浩、栗原健太、エルドレッドなどが4番を務めたが、すでに鈴木の方が上。これからどこまで“高み”を目指せるか。楽しみでならない。

デイリー新潮取材班

2021年5月5日掲載

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