事件現場清掃人は見た 母親の「遺体」も「遺骨」も放置したまま孤独死した60代男性

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ミイラ化した母親

 母親は男性が孤独死する1年前に亡くなった。

「男性は、部屋で亡くなった母親を放置していたそうです。悪臭がする部屋で、普段通りの生活をしていたのです。腐敗臭に気付いた近隣住民が警察へ通報。警官が立ち入ったところ、ミイラ化した母親が発見されました。死後半年以上経っていたといいます」

 男性は当初、殺人の容疑者として取り調べられたという。

「検死の結果、自然死だったことが判明したので、遺体は荼毘に付され、男性のもとに戻されました。結局、男性の刑事責任は問われませんでした。テーブルの上にあった遺骨は母親のものでした」

 特殊清掃の現場で、なぜ遺骨が発見されることが多いのか。

「精神疾患や知的障害のある方は、納骨せずに部屋に放置しておくことがよくあります。今回のケースはこれに当たります。また、経済的理由で、お墓を買うとか、永代供養をする余裕がないケースが少なくありません。この場合、遺族が故人に対して愛情を持っていれば、お骨は仏壇の横などに置かれています。そうでなければ、だいたい押し入れに保管されています」

デイリー新潮取材班

2021年4月30日掲載

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