大阪市職員、5人以上の会食に1000人以上が参加!「松井市長はやる気ないぜ」という声

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組織の責任はトップにある

 在阪のジャーナリスト吉富有治氏も呆れて言う。

「市民に対して、飲食を控えるようお願いしている中で、たるんでいるとしか言いようがありません。調査期間が3~4月の年度替わり、異動のシーズンですから、歓送迎会はやらないといけないという頭があったんでしょう。彼らは上から言われたら逆らえませんから」

 民間企業では、夜の会食の自粛は当たり前となっているのに。

「年度末調整のように、予算は使い切らないといけないという意識も働くのかもしれませんね。宴会の積み立て金なら、翌年に持ち越せばいいはずですけど」

 大阪市のHPには「職員の新型コロナウイルス感染状況」というページがある。そこには溢れんばかりの職員の感染情報が掲載されている。

「みんながみんな、夜の食事で感染したわけではないでしょう。市職員たちは民間と違って、自宅でできる仕事ばかりではありません。感染リスクはあっても市民と顔を合わせなければならない仕事も多いですから、怒りの矛先を職員に向けるだけでは矮小化してしまう。個々の職員に責任を押しつけることは簡単ですが、それは公務員バッシングに繋がりかねません。それが高まれば、公務員になろうとする若い人がいなくなってしまう。職員が不足すれば、公共の仕事が立ち行かなくなってしまいます。そうなれば、我々市民が困ることになる。職員の自覚の問題だけで片付けるわけにはいかないと思います」

 松井市長は「厳重に対処する」と言っていたが、

「末端に至るまで組織がビシッとするには、トップが徹底的に取り組まなければなりません。言うまでもありませんが、大阪市のトップは松井市長です。彼は調査結果を受けて大阪市民に謝罪をしてみせました。しかしながら、3度目の緊急事態宣言に入ったというのに、“市長日程”を見ると初日の25日、月曜の26日も公務日程はないことになっています。最近は市庁舎にやってくるのは午後が多く、週末の金・土・日は3連休ということも少なくありません。なにより、市長は昨年末、公用車を使って市内にあるホテルのスパに通い詰めていたことが問題になりました。コロナ対策は完全に府に丸投げで、何をやっているのか見えてきません」

 松井市長は、今期(23年4月)限りで政界を引退することを表明している。

「昨年、大阪維新の会代表も吉村洋文大阪府知事に譲りました。松井市長はすでに引退モードなのか分かりませんが、市長の任期はあと2年もありますし、今も日本維新の会の代表です。維新の会が標榜しているのは“身を切る改革を含む政治改革”です。つまり、自分たちは我慢するから、協力して下さいということでしょう。そんな政党の代表なら、今こそ市役所にやるべきことを徹底させるべきです。トップが模範を示さなければ職員はおろか市民だってついていきません。大阪の飲食店は、2度目の時短協力金の支給も遅れていて、タダでさえ怒っている人が多い。そこへこの調査結果ですからね。市長のマネジメント能力が疑われるのも当然でしょう」

 詳細な調査結果は今週中に発表されるという。

デイリー新潮取材班

2021年4月29日掲載

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