モーリー・ロバートソンが日本で見つけた飲食店 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第86回は、モーリー・ロバートソンさん。今回は「青葉家」に伺いました!!

 テレビのコメンテーターにラジオのナビゲーター。まさにメディアの“寵児”として八面六臂の活躍をしているモーリー・ロバートソンさんが、“隠れ家”として贔屓にしているのは銀座の「青葉家」である。佐賀牛、神戸牛、松阪牛を使ったしゃぶしゃぶとすき焼きが名物で、モーリーさんのお気に入りはすき焼きの〈極上佐賀牛コース〉。

「ここのすき焼きにはまったく驚かされました。極めちゃってるんですよ」

 そうハーヴァード大卒の“天才”が太鼓判を押すからには期待に胸が膨らみます。準備ができるまで、モーリーさんのキャンパスライフについて伺うことにしましょう。

「最初に払う学費の中に食費や寮費も含まれているので、基本的にはみんな寮生活です。食事は食堂で、ボストン湾で獲れるハドックという魚を煮込んだものや、仔牛の硬いカツレツなんかをよく食べたなあ。“おいしいものを食べる時間があったら、ちゃんと勉強をしろ”というハーヴァードのメッセージだったのかな?(笑)」

 なかには、外気を求めて寮を飛び出す学生もいるのだとか。

「そういう学生を待ち構える店もあるんです。ある飲み屋には“スコーピオンボウル”という、ガラスのボウルに注がれた真っ赤な液体があって、みんなでストローで飲むのが通過儀礼でした」

 かように青春時代を振り返っているうちに、すき焼きの準備は万端。赤身とサシのバランスが美しいお肉に、しらたきや豆腐など、欠かせない“バイプレイヤー”が脇を固めます。

 モーリーさんはお気に入りの竹鶴ハイボールを片手に、意味深なことを言います。

「ほかの店では見たことがないすき焼きだからね」

 どういうことかと思ったら、なんと美しい肉を塊のように巻いて鍋に入れるではないか。こうすることで、片面はカリカリ、片面は半ナマの状態で堪能できるのである。タレをかけると店中に香ばしい匂いが広がります。生卵に浸してガブリとするや、

「これがあるから日本に永住するしかないんだよなあ」

 これ以上ない誉め言葉ではありませんか?

週刊新潮 2021年4月22日号掲載

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