「費用は1千万円」49歳で初産、女優・小松みゆきが明かす「7年の不妊治療」

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四つの受精卵

 ところが治療を始めて4年が過ぎた頃、初めて治療をやめようと考えたという。

「それまで排卵日を予想して自然妊娠の可能性を高めるタイミング法をはじめ、顕微授精も複数回試していましたが上手くいかない。疲れ果て、夫と“諦めよう”と話し合っていました」

 この時、すでに46歳。

「最後の顕微授精でできた四つの受精卵は凍結保存していたのですが、ネットで知った染色体異常の有無を検査する着床前診断を受けていました。その結果、異常が認められない受精卵は四つのうちの一つ。治療をやめるからといって廃棄などできませんので、夫と相談し、最後の受精卵が着床しなかったら、治療を終えることに決めたのです」

 この時、以前に受診した病院で「子宮に何かある」と指摘されていたことを思い出したという。すぐに子宮鏡検査を受けると、子宮内膜炎とともに良性のポリープが見つかった。

「幸いにも治療は無事に終わり、子宮は受精卵を受け入れるのに適した環境に近くなりました。着床前診断についてはあまり詳しく知らないまま受けていたので、改めて確認したところ、異常があると、子宮に戻してもほとんど無事に育つことはないと知りました」

 これが大きな分かれ道になったそうで、

「検査を受けていなかったら、私は育つ可能性がない受精卵も移植して、これまでと同じように時間と費用を費やしていたはず。不妊治療の最後の最後になって、私は子どもを産むのに適した身体と、高い確率で成長が見込める受精卵を得ることができたわけです」

 最後の受精卵はすくすく育って出産を迎えたが、

「受けた顕微授精は14回、費用は1千万円にも達しました。多額の出費を許してくれた夫の協力と理解には感謝しかありません」

 初めての育児については、

「最初は戸惑いや体力的な不安がありました。でも、年の功か、娘が泣き出したりしても、慌てずに対応できています」

 今後は芸能活動のかたわら、高齢出産や不妊治療に関する情報発信にも取り組んでいくそうだ。

週刊新潮 2021年4月22日号掲載

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