「佐藤輝明」の陰に隠れた2人の虎戦士も…燻り続けるトレード候補は?

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ポテンシャルの高さは折り紙付き

 続いて、楽天。昨年のドラフトでは、1位から4位まで大学生、社会人の投手を指名したほか、田中将大がメジャーから復帰した影響で、押し出された投手がいる。開幕前に池田隆英を日本ハムにトレードしたが、他球団からすれば、まだ狙いたい楽天の投手はいる。

 ある程度実績があり、年齢的に中堅に差し掛かっている選手の中では、釜田佳直が面白い存在だ。度重なる故障でなかなか成績は安定しないながらも、高校卒1年目にいきなり7勝をマークするなど、ポテンシャルの高さは折り紙付きだ。今年も開幕一軍入りは逃したとはいえども、二軍でまずまずの投球を続けている。チームの先発投手陣を考えると、なかなか一軍で出番がなさそうなだけに、他の球団でチャンスを与えてもらいたい投手である。

 ここに挙げたのはほんの一例であり、他にもチーム事情からなかなか出場機会に恵まれない選手は少なくない。日本のプロ野球は、どうしても生え抜きを重視する傾向があり、トレードに対して、いまだにネガティブなイメージがある。しかしながら、選手にとってはチャンスがあるチームでプレーする方が幸せなケースは多いはずだ。

 数年前から出場機会に恵まれない選手にトレードの機会を増やす「現役ドラフト」の導入も検討されているが、いまだに時期は不透明なままだ。コロナ禍で新外国人をシーズン途中に補強することも難しくなっているだけに、国内の選手をどんどん活用する意味でも、トレードが活発になっていくことを望みたい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年4月12日掲載

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