30年経っても変わらず 韓国が日本に求めてきた謝罪と賠償請求の歴史をひもとく

国際 韓国・北朝鮮

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文在寅のちゃぶ台返し

 続いて金泳三(キム・ヨンサム)について。

 彼は在任中に、言葉巧みに宮澤喜一元首相らを誘導し、「河野談話」を発表させた。

 日本は日韓基本条約・日韓請求権協定を前提に考えていたため、謝罪が賠償請求に発展することはないと高をくくっていたことはあるだろう。

 そして時代は下って朴槿恵政権下の2015年12月。

 日韓外相会談で「慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認した」ことが合意された。

 16年7月に日本側の資金拠出により「和解・癒やし財団」が設立され、8月には日本側が10億円を拠出。

 その後、財団側は元慰安婦23人に現金を支給したことを明らかにし、合意時点で生存していた元慰安婦46人のうち34人が受け取りの意思を示していることが確認された。

 にもかかわらず、大統領となっていた文在寅(ムン・ジェイン)は2018年11月に日本へ相談もなしに財団の解散を一方的に発表、慰安婦合意は反故にされてしまった。

 そして今年3月には、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相が慰安婦問題に言及し、「日本が2015年の合意精神に従い、反省して誠意ある謝罪をすれば、問題の99%は解決される。日本の決心によっては容易に解決することもできる」と発言している。

 盧泰愚の時代にタイムスリップしたかのような既視感を覚える人は少なくないだろう。

羽田真代(はだ・まよ)
同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。

デイリー新潮取材班編集

2021年4月8日掲載

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