特効薬「イベルメクチン」を製薬会社が頑なに“隠す”理由 「開発中の新薬が売れなくなる」

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「製薬会社や国がやることを一生懸命やっている」

 コロナ禍は製薬会社には千載一遇のビジネスチャンスだろう。だが、そのために患者の治癒が二の次になるなら、本末転倒も甚だしい。再び大村博士が言う。

「北里大学は、本来、製薬会社や国がやることを一生懸命やっている。イベルメクチンで成功しても、北里には儲けなどなく、使命感だけです。ただ、メルクがああいう発表をすると、厚労省も承認に向けて動きづらくなりますよ」

 製薬会社がだめなら厚労省に頑張ってもらいたいところだが、花木氏も、

「厚労省は(モナシュ大学の)試験管試験の評価を国内の大学に依頼し、臨床レベルでは効果がないと判断しているようです」

 元厚労省医系技官で医師の木村盛世氏が言う。

「日本はワクチンや薬の開発、供給、接種や投与は可能でも、大規模治験ができない。せっかく開発したものを実用化できず、海外で売ることもできない。新興感染症の流行を国家の危機と捉えていないのです」

 やる気がないようだ。製薬会社の事情。欧米より1桁少ない感染者数で医療が逼迫する日本の「やる気のなさ」。二つがタッグを組めばなにも進まないのも、もっともな話である。むろん薬だから、安全性への冷静な評価は欠かせない。だが、効果のない緊急事態宣言で社会を破壊するよりも、手持ちの薬を増やす努力を優先すべきではないのか。

週刊新潮 2021年3月25日号掲載

特集「『変異ウイルス』でも『第4波』襲来でも『イベルメクチン』で命を守れる」より

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