事件現場清掃人は見た 40代女性が自殺した後、姉に届いた“読むに堪えない遺書”

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姉への恨みが延々と

 高江洲氏は、その遺書を読ませてもらったという。

「遺書はA4用紙に2枚でした。『今から死ぬ。これが届く頃には、私はこの世にいないでしょう』という書き出しで始まり、お姉さんへの恨みが延々と書かれてありました。『今まで、こんなに面倒をみてあげたのに、なぜ連絡をくれない!電話をしたのに、なぜ出ない!どうして私を避ける!卑怯者!かまってくれないから、寂しくてたまらない……』など、読んでいていたたまれない気持ちになりました」

 遺族にとってみれば、その内容はあまりに一方的だった。そのまま受け入れることはできなかったという。

「甥御さんは、幼い頃は故人にかわいがってもらったそうです。姉との仲も良かったそうですが、妹さんは精神病を患ってしまい、性格が一変してしまったといいます。勤めていた会社も辞めたそうです」

 妹が病気になったことをきっかけに、姉とも疎遠になったという。

「妹さんは、とりとめのない話を延々としたり、同じ話を何度も繰り返するともあったので、お姉さんは、彼女と会うのが面倒くさくなってしまった。妹さんは、自分が病気だということを自覚していなかったため、被害妄想が酷くなっていた。お姉さんが自分をかまってくれないことに対して、一方的に恨みを抱くようになったそうです」

 結局、高江洲氏の前に姉は一度も姿を見せなかった。

「お姉さんは、妹さんとは一切関わりたくなかったのでしょう。精神を病んでしまった人を家族はどこまで面倒をみるべきか、本当に難しい問題だと思いました。残された家族も複雑な気持ちだったのでしょう。妹には30万円の他に預金もあったのですが、そこから私に特殊清掃の費用を払い、残りは動物愛護団体へ寄付したそうです」

デイリー新潮取材班

2021年3月18日掲載

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