「トモダチ作戦」2万人の米兵はボランティアだった 住民は「彼らが来て一気に片づいた」と称賛
「自然に手伝いたいと思いました」
東日本大震災からの復興では、諸外国からの援助が欠かせなかった。多くの死者を出した岩手県野田村では、ボランティアで駆けつけた2万人の米兵によって、瓦礫撤去が大きく進んだという。彼らはどのような思いで災害支援に当たったのか――。
(「週刊新潮」別冊「FOCUS」大災害緊急復刊より再掲)
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屈強な米兵たちが泥まみれで巨大な流木に挑んでいる。津波で流れついた無数の流木や電柱、そして山積みの瓦礫を人海戦術で片づけようとしているのだ。彼らが撤去作業に当たっているのは、死者37人を出した岩手県九戸郡野田村。
彼らは海兵隊のような実戦部隊ではない。野田村の北、青森県三沢基地から駆けつけてきた空軍兵士なのである。普段は、F16戦闘機などの保守に当たっている整備兵やエンジニアがほとんどだという。
「バス2台に分乗して来ています。59人中10名が女性兵士です」
こう語るのは、インディアナ州出身のジョージ・ノア少尉(24)。
「惨状を見て、自然に手伝いたいと思いました。“ヘルプ・トゥ・ハッピー”と皆言っています。助けることで充実した気持ちになる、ということですね」
「ホント、助かるなあ。ありがてぇよ」
野田村を外国人が訪れることはめったにない。そこに突如現れた数多くの米兵。被災者たちはビックリした。
「いきなり背の高いアメリカさんが来たんだよ。瓦礫が多くて全然片づかなかったんだけども、彼らが来て一気に片づいた。重機を使わないで、流木やら電柱を平気で持ち上げるんだ。凄いよ。ホント、助かるなあ。ありがてぇよ」
と、自宅が全壊した男性が言えば、同じく自宅を失った外浦千代美さん(51)も感謝の弁を述べる。
「個人が大切にしている物を集めてきてくれます。女の兵隊さんは、破れて泥まみれになったスカーフをわざわざもってきてくれる。そういう繊細さがとても嬉しい。オバマさんが“必要な支援は何でもする”と言ったけど、その気持ちがここまで届いているんだなあと思います」
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