女子アナとの「W不倫」で辞任 静岡新聞社長が社員に送った往生際の悪い「謝罪文」

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結果として皆様の誤解や疑いを招いた

 大石氏が新聞社社長の地位に対して見せた未練は、週明けの8日夕刻、社員に送った「謝罪文」にも見受けられた。

「みなさまへ」で始まる文章は、丁重な謝罪から始まる。

〈この度は、私自身の軽率な行動により、社員の皆様にご迷惑をお掛けしたことを、心からお詫び申し上げるとともに、深く謝罪の意を表します。また、今回の件でいろいろご対応頂いた皆様には深い感謝とともに、重ねてお詫び申し上げます〉

 だが、殊勝な姿勢を見せたのはここまでだ。

〈また災害復興や、コロナ禍が長引く中、ゴルフや女性アナウンサーと食事に行くという行動をとったことで、結果として皆様の誤解や疑いを招いたこと、大変申し訳ございませんでした〉

「誤解」や「疑い」といった表現で“ジャブ”を打った後、長々と見苦しい言い訳を始めるのである。

〈報道されたアナウンサーとは2人で食事に行ったことは写真からも事実ではありますが、一つには私自身の仕事上へのアドバイスをもらっていたことと、また女性アナウンサーからの仕事に関する相談であったことに尽きます〉

〈またゴルフにも2回行きましたが、あくまで2人でプレーしたことはなく、いずれも第三者である私の友人がいました〉

〈お酒を飲みながら話をした結果として深夜遅くになったことで、さらに深い誤解を与えてしまったことは社員の皆さまには第一に、また女性アナウンサーのご家族にもご迷惑をかけてしまい、重ねてお詫びを申し上げる次第です〉

代表権はキープ

 編集部門トップである編集局長を経験した割には、文章が冗長で稚拙な点も気にもなるが、それはさておき、さらにこう続けた。

〈昨年来、コロナ禍で厳しい経済環境に置かれている状況。そして社としてメディア企業として、新しい道を進もうとしている中で、厳しいことを申し上げていた私自身が、脇の甘さと予見力不足により、このような事態を引き起こしたことは謝っても謝り切れることではないということは強く自覚しているところです〉

 イライラしながらここまで読まされた社員は、この後の一文に呆れ果てたという。

〈今後のことに関してはすでに放送局社長に関しては言及しているところですが、それ以外の点につきましても社内外に現在、相談をさせていただいているところです。しかし、皆様ご存知のように、これまでも二十数年間にわたりメディア企業としての在り方を先頭に立って模索して参りました。どういう形であれ、静岡放送並びに静岡新聞社の未来、そして社員の皆様の未来にお役に立てるよう、努力して参りたいと考えております〉

「結局、辞めるんだが辞めないんだか、何言っているんだかわからないんですよ。後で聞いたところによると、この社員向けの文章を出した段階ではどうやら、新聞社社長は続投するつもりだったようです。ただ、社には新聞購読を辞めるという読者からの電話が鳴り響き、広告出稿にも影響が出始めている状況だった。最後は幹部たちも入れ替わり説得に入り、ようやく辞任を決意したようです」(前出・放送中堅社員)

 9日夜になって、静岡新聞社と静岡放送は大石氏が社長職から退くことを発表した。だが、退任と同時に新聞社では代表取締役顧問、放送では非常勤取締役に就任するとも発表された。

「結局、新聞社では代表権は握ったままです。いずれ復帰するんじゃないかとも言われており、こんな会社に未来があるのかと皆嘆いています」(同)

 社員たちの苦悩は続く。

デイリー新潮取材班

2021年3月10日掲載

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