立民、候補擁立で混乱 枝野代表のガバナンス能力不足が原因か

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 国会議員の銀座豪遊、総理長男の総務省接待、東京五輪組織委問題など不祥事が後を絶たない菅政権。

 与党のピンチが野党のチャンスとならないのは“野党第1党がパッとしないから”という一言に尽きよう。

「松本純衆院議員の会食報道が火を噴いた直後、永田町では立憲民主党の議員の会食疑惑が駆け巡り、福山哲郎幹事長は慌てて会食禁止を全国に通達。安住淳国対委員長も“あれはガセ”と火消しに走った。幹部らの慌てぶりに記者も呆れ顔でしたよ」(政治部デスク)

 会食問題での延焼を免れた立民は、再び勢いを取り戻したかに見えたが、今度は党首の発言が燃え始める。

 2月14日の西日本新聞web版のインタビュー記事で、枝野幸男代表(56)の、

〈原発をやめるということは簡単なことじゃない〉〈政権の座に就いたら急に(原発ゼロを実現)できるとか、そんなのはありえない〉

 という発言が紹介されたのだ。

「これでは原発容認とさして違いがなく、昨年8月の国民民主党との合流のゴタゴタは何だったんだという話になる。党内はもちろん、社民党幹部からも“意味不明”と失望の声が漏れていました」(同)

 迷走するのは代表ばかりではない。

「立民は候補者の人材難にも頭を抱えているんです」

 と、党関係者。

「2月7日の西東京市長選挙では元逗子市長を擁立しましたが、彼は逗子市議会で共産党に散々追及された人物。それでも“市民団体が連れてきたから仕方がない”と押し切り、敗北」(同)

 1月に行われた埼玉県川越市長選はさらに悲惨で、

「現職に推薦を出したのですが突き返された挙げ句、その現職候補は自公の推薦を得て当選。赤っ恥をかくことに」(同)

 当然、衆院選の候補擁立作業も山あり谷あり。

「保守分裂で立民に追い風が吹く福岡5区では、2月になって男性候補が出馬を辞退。昨年、女性候補が辞退したばかりな上、身辺トラブルも囁かれ、党本部も“聞いてない”と混乱しています」(同)

 すべてはコミュニケーション不足が原因だといい、

「枝野氏や福山氏に下から意見具申はなされず、公認の人選もやっつけ。どうせ勝てないと見切りをつけ、比例票を積み増すためだけに小選挙区に候補者を擁立する。結果、選挙区調整も進まず、有象無象の候補者が乱立している」(同)

 解散されて一番困るのは、立憲民主党かもしれない。

週刊新潮 2021年3月4日号掲載

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