事件現場清掃人は見た 自殺した夫が発見された浴室で妻が口にした“信じられない言葉”

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どうしていいかわからない

 ご主人が亡くなったというのに、彼女からは悲しみの感情はひとかけらも感じられなかったという。

「『死にやがって!』と彼女は何度も言っていました。執拗なご主人への恨み節を聞いていると、私には亡くなったご主人が、彼女から追い詰められて、死を選んだのではないかとさえ思いました。まるで、私が責められているように思えてきました」

 現場は3DKの新築マンションだった。

「売却することになりましたが、いくら新しくても事故物件なので高くは売れません。おそらく売れても借金を完済することはできないでしょう」

 そのことを承知していたのか、奥さんは、こうつぶやいた。

「これから、どうしていいかわからない」

 高江洲氏は、

「心情、お察しします」

 と、答えるのが精一杯だったという。

「借金苦を原因に夫が自殺するケースでは、残された家族が悲しみよりも怒りを表す場合がけっこうあります。こういう場面に出くわしてしまうと、私は心が折れそうになります。自分が責められたような気持ちになり、しばらく立ち直れなくなるんです」

デイリー新潮取材班

2021年3月5日掲載

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