「山下泰裕」JOC会長が情けない男に見えてしまう…関係者は「ああ見えて出世欲が強い」

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山下会長は密室好き!?

 東京五輪組織委員会の森喜朗前会長(83)が、“女性蔑視とも取れる発言”を行ったことが大きく報じられた際、同席していたJOCの山下会長は「指摘する機を逸してしまった」と弁明した。だが、この釈明に納得した人は少数派だろう。

 スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は、「不正受給、森発言、そしてパワハラ問題を振り返ってみると、山下氏は一貫して同じ対処法を選んでいることが分かります」と指摘する。

「常にマスコミを避けて説明責任を果たさず、密室で物事を決めようとするのです。森さんの後任を決める候補者検討委員会も非公開で批判が集まりました。山下さんは『非公開にすべきと言った』とマスコミに認めています」

 前出の記者は「柔道選手としては傑出していましたし、素晴らしい人格の持ち主でもあります。しかしながら、リーダーシップは疑問視せざるを得ません」と言う。

 谷口氏も「山下会長にリーダーシップが欠如しているのは、ある意味で当然なのです」と解説する。

「山下さんはイギリスへの留学経験があるようです。とはいえ、スポーツやリーダーシップについて、大学院などで深く学んだ経験は皆無でしょう。そもそも山下さんが柔道やオリンピックの未来について、ビジョンを語ったことなど一度もないのです。山下さんは金メダリストという“レジェンド”を背景に、組織の中で徹底的に守りに入ることで出世していきました」

強固な森=山下ライン

 意外や意外、全柔連会長でもJOC会長でも、リーダーとしての山下氏は「とにかくつつがなく、物事を平穏に進めていこう」という“小役人タイプ”だというのだ。

 こういうタイプは、世論の大多数が東京オリンピックに賛同し、盛り上がっているのなら力を発揮するかもしれない。

 だが、世論の多くが五輪の開催に疑問を抱いている。逆風を山下会長が跳ね返すかどうかが問われている。

「ああ見えて山下さんは、出世欲が強いのだと思います。加点主義ではなく、『とにかくミスをしない』という減点主義で全柔連とJOCの会長となりました。しかし世間は『山下さんにトップとしての力量はない』と気づきつつあるのではないでしょうか」(同・谷口氏)

 前出の記者は「とにかく、森さんが山下さんを可愛がったことも大きいと思います」と言う。

「実際のところ、ロシアのプーチン大統領が山下さんを尊敬しているなど、森さんにとって山下さんの“利用価値”は高かったのです」

 谷口氏も「山下さんは、森さんと政府のほうしか見ていません。アスリートファーストを忘れてしまっています」と苦言を呈する。

 果たして山下氏は、全柔連の混乱を沈静化させ、東京オリンピックの開催に向けてリーダーシップを発揮できるのだろうか。

デイリー新潮取材班

2021年3月5日掲載

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