「酒井美紀」が不二家の社外取締役に就任 不二家の狙いは?

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 てっきり何かの役柄かと思ったら、リアルな企業経営の話だった。女優の酒井美紀(43)が「不二家」の社外取締役に就任するという。

「酒井は1990年代後半から20年以上も山崎製パンのCMに出演し、もとは不二家のライバル社と付き合いが深かったわけですが」

 とは広告業界関係者。

「2007年、不二家が消費期限切れの原料を使用していた事実が発覚して業績が悪化すると、翌年に山崎製パンの傘下に入ります。とはいえ、山崎製パンと不二家の商品は市場では競合しているわけで、酒井が即、不二家のCMに起用されるといったことはありませんでした。不二家が創業100周年を迎えた時も、酒井は関連イベントで審査員を務める程度だったんです」

 ちなみに酒井はいまも、山崎製パンが一社提供するFMラジオの番組でパーソナリティを務めている。

「だから一足飛びに不二家の経営のど真ん中に加わるとの情報は、まったく意外でした。ただし彼女は自身の人事が明らかにされる1週間ほど前、都内の不二家の店舗で買い物する様子を写真とともにツイッターに投稿している。嬉しさゆえ、さり気なくアピールしていたのかもしれません」

 経緯を事務所に尋ねると、

「酒井が個人で受けている話。事務所としては、何かを言う立場にないんです」

 と述べつつも、

「CMタレントのような役割ではなく、会社の求めに応じて、しっかりした意見や考えに基づいた仕事をすることになると思います」

 一方の不二家は、

「女優としての活躍のほか、NPO法人の親善大使として世界の子どもたちを支援する活動もされており、昨年は当社のペコちゃん70周年アンバサダーも務めていただきました。これらの経験を活かし、また、主婦としての立場からも当社経営に助言をいただけるものと考えております」(広報室)

 特定の担当はなく、任期は2年。就任後は月に1度、取締役会に出席するという。

 経済ジャーナリストの須田慎一郎氏はどう見るか。

「経営責任の一端を担う社外取締役には、実績や能力に長けた財界人や有識者が就くケースが一般的です。そうした中、多くの企業や団体が目下、政府の“2030年までに女性管理職の割合を3割に”との要請を受け、女性の登用を進めている。中には単なる数合わせや話題作りだったりするケースもあり、厳しい目が注がれています」

 正式就任は3月24日。

週刊新潮 2021年2月25日号掲載

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