「鹿島」元幹部への「復興マネー」還流、「ヤクルト監督」と「除染タニマチ」との類似性

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監督ご本人は

 さて、「会長」との親交について真中監督ご本人は、

「日大の先輩なので昔からよくしてもらってますよ。やましいことは何もないですけど、まぁ、私的なことだからね……」

 球団は、件の投手の指名については、「スカウト会議で能力を評価した」としながら、監督の「個人的な交友関係については把握しておりません」

 その上で、「真中監督と相双リテックおよび球団の三者の間で、肖像権や野球教室に関する契約を結んでおります」と回答した。

 スポーツ用品メーカーならともかく、プロ野球の監督が除染業者と肖像権の契約を結ぶこと自体、「聞いたことがない」(先の記者)

 その後、その投手は、2017年に2試合に登板したのみで翌年に現役引退している。

 そして2019年、今度は相双リテックの名が不名誉な形で報じられることとなる。

《除染 役員報酬30億円「過大」 3年で 福島の業者、国税指摘》という見出しの、読売新聞の記事(2019年4月16日)である。

 記事にはこうある。

〈東京電力福島第一原発事故に伴う除染業務を下請け受注した福島県いわき市の土木工事会社が、仙台国税局の税務調査で2016年12月期までの3年間の役員報酬計約76億円のうち、計約30億円について「高すぎる」と指摘されていたことが関係者の話でわかった。この約30億円は経費への計上が認められず、申告漏れにあたると認定された〉

〈申告漏れを指摘されたのは「相双リテック」。東日本大震災後の12年1月に設立された。民間信用調査会社によると、原発事故で今月10日に避難指示が一部解除された同県大熊町で、大手ゼネコン「清水建設」から国直轄の除染業務を下請け受注して業績を拡大。12年に約19億円だった売上高は、14年は約48億円、15年は約111億円、16年は約105億円に達した。〉

 役員報酬の大半は代表取締役会長に支払われていた。この会社の利益率と役員報酬の高さは異常だという専門家の指摘もある。

 球団関係者が目撃したという「札束を紙袋に詰め、領収書を受け取らなかった」姿が目に浮かぶようだ。

 脱税はいかなるものでも許される話ではないが、復興が絡むとなると、なおのこと悪質に感じられる方も多いのではないか。

デイリー新潮取材班

2021年3月2日掲載

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