周東を超えるか…俊足ルーキー「五十幡亮汰」「並木秀尊」が残していた驚愕タイム

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「一流の俊足」とは

 昨年、日本シリーズ4連覇を達成したソフトバンクホークス。そのなかで、昨年大きく飛躍した選手の一人が周東佑京だ。シーズン前半は前年と同様に途中出場が多かったものの、夏場以降はスタメン出場が増えると、それに比例して盗塁数も増加。昨年10月には13試合連続盗塁という世界記録を打ち立て、最終的にはシーズン50盗塁で盗塁王のタイトルを獲得している。そんななか日本球界で“最高の脚”を持つ周東のライバルとなりうる“俊足ルーキー”が今年プロの門を叩いた。

 本題に入る前に、少し解説を加えたい。球界関係者が選手の“脚の速さ”を判断するには、主に以下のような二つの指標がある。

・打球を打って一塁まで到達するまでにかかる時間「一塁到達タイム」
・スリーベースを打って三塁まで到達するまでにかかる時間「三塁到達タイム」

 一般的に「一塁到達タイム」は4.0秒を切ると、プロで「一流の俊足」と呼ばれ、「三塁到達タイム」は12.00秒を切れば十分速いとされている。筆者は、アマチュア野球を中心に年間300試合以上の試合を取材、ストップウオッチで使ってタイムを計測、長年にわたり独自に分析してきた。

 高校で1試合、大学で4試合、周東のプレーを取材したが、「一塁到達タイム」は最速3.85秒を計測している。これだけでも、プロで一流の俊足といわれる4.0秒を切って十分速いのだが、「三塁到達タイム」はさらに素晴らしく、最速10.98秒をマークした。

 脚力がある選手には、塁間などの短い距離が速いタイプと、ベースを回ってからの長いベースランニングのスピードが目立つタイプがいる。周東のアマチュア時代はどちらかというと後者のタイプだった。最速10.98秒をマークした時に、周東が見せてくれたストライドが長いベースランニングは、今でも強く印象に残っている。

陸上全国大会で二冠

 冒頭で触れた“俊足ルーキー”に話を移そう。1人目は中央大から日本ハムにドラフト2位で入団した五十幡亮汰だ。中学時代、陸上全国大会でサニブラウン・ハキーム(現・陸上100メートルの日本記録保持者)を破り、100メートル、200メートルの二冠に輝いたエピソードを持つ五十幡だが、高校、大学の7年間ですっかり“野球仕様”の脚になった。

「一塁到達タイム」は最速3.76秒、そして「三塁到達タイム」は最速10.58秒。いずれもアマチュア時代の周東を上回る恐るべき数字をマークしている。特に大学で大きく伸びたのが、ベースランニングの技術だ。高校時代にも「三塁到達タイム」で最速10.94秒という一級品の数字をマークしていたが、そこから0.3秒以上もタイムを縮めることができたのは、走塁技術の向上があったからに他ならない。

 さらに、昨年秋のリーグ戦初戦では、五十幡は2つの盗塁を決めているが、その時のタイムは3.07秒と3.10秒をマークしていた。かつて5年連続盗塁王に輝いた赤星憲広(元阪神)の「盗塁タイム」は3.2秒台だったと言われており、いかに五十幡の数字が突出しているかがよく分かる。

 もちろん、野球の走塁は、陸上と異なってタイムを競うものではないが、これらの数字を見ると、プロ入り時点での脚力は、周東よりも五十幡が上回っている。残念ながら、五十幡は、キャンプイン早々に左太もも裏の張りを訴えて、二軍での調整が続いているが、ここからプロのトレーニングで筋力をアップし、スタートの技術などが向上すれば、周東の有力なライバルとなることは間違いないだろう。

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