NHK「有馬キャスター」は3月で降板か アドリブコメント禁止で本人は意気消沈

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国谷氏も大越氏も

 政権のNHKに対する圧力は、安倍晋三内閣から顕著になったと言われる。菅氏が官房長官として目を光らせるようになったからだ。

ニュースを深掘りする「クローズアップ現代」のキャスターを務めていた国谷裕子(くにや・ひろこ)氏(64)が2016年3月末で契約を打ち切られ、キャスターの座を追われたのにも菅氏が絡んでいたとされる。番組で集団的自衛権を取り上げた際、キャスターの国谷氏が当時、官房長官だった菅氏にインタビューして、鋭く問題点を問い詰めた。そのことに菅氏はいたく立腹し、国谷氏の“更迭”につながったと報じられている。

 有馬氏がキャスターに就任する前の2010年3月から2015年3月まで、「ニュースウォッチ9」のキャスターを務めた大越健介氏(59)も、降板は「官邸の意向で外された」と報じられた。

「これまでのキャスターとは異なり、大越さんは自分の意見をはっきり述べる方でしたが、彼のコメントが官邸のお気に召さないものばかりだった」(NHK関係者)

大越氏は2018年から「サンデースポーツ2020」のキャスターに配置換えとなった。NHKでは政治部記者として鳴らし、ワシントン支局長も務めた経歴の持ち主が、東大野球部出身とはいえ、スポーツに回されたのは異例の人事と言っていいだろう。

「NHKが菅さんを恐れているのは、第1次安倍内閣で総務大臣を務め、総務省に圧倒的な影響力を持っているからです。総務大臣は放送会社への許認可権を握っている。総務省ににらまれれば、NHKは何もできなくなってしまいますからね。

本来、キャスターの交代は秋から年末にかけて開かれる幹部による『キャスター委員会』で決まる。今のところ、この委員会で有馬氏の交代が決まったという話は伝わってはいませんが、菅首相が少しでも不快感をにおわせれば、幹部はキャスターの首などいとも簡単にすげ替えるに違いありません」(NHK関係者)

デイリー新潮取材班

2021年2月9日掲載

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