「コスプレイヤー」が雑誌グラビアに続々登場 2021年は“ポストえなこ”探しで加熱

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強い「こだわり」も

 コスプレイヤーはもともと2次元の格好をしているため、雑誌で連載している作品とのコラボをしやすいのも強みだろう。昨年11月5日に発売された『週刊ヤングジャンプ』ではスマホゲーム『グランブルーファンタジー』の公式コスプレイヤー8人が表紙を飾っていた。こうした展開の広さから、コスプレイヤーの需要はますます高まっている。

 コスプレイヤーの起用は、当然、漫画誌だけではない。別のグラビア誌の編集者は、コスプレイヤー起用の理由に新鮮さを挙げる。

「雑誌グラビアに登場するコスプレイヤーは、まだ少数です。従来のファンには、雑誌グラビアに起用されることへの待望感があるし、一方、コスプレイヤーを知らない層にとっては初めて目にする逸材に映るわけです。また、コスプレ分野で下積みを積んだ上で世に出てきているので、編集者側が目を付けた時点で、すでに振るいにかけられていて、最初からある程度、反響の保証がある」

 一方で「コスプレイヤー個人のこだわりが強いケースは珍しくない。こういった表情はしない、こんなポーズは取らないという決め事がわりとハッキリしている人も多い」と、グラドルと違った難しさもあるという。

 コスプレイヤーの凄さは、ボディーメイク能力だ。アニメ、漫画といった2次元のキャラクターに似せるため、体重を10キロ以上落とすという徹底した人もいる。人気コスプレイヤーになれば、ゲームなど企業の公式コスプレイヤーになる場合も少なくないが、衣装はオーダーメイドで作るため、衣装が綺麗に見えるよう、1キロも増減しないよう、体重をキープし続けるコスプレイヤーもいる。

 グラドルも撮影前に減量などはするものの、どちらかといえば素材そのものの良さを見せる存在である。コスプレイヤーは2次元に寄せるためスリム体型が多いから、ぽっちゃり好きにはグラドルの方が好みの人も少なくないだろう。

 ただ編集者側としても、コスプレイヤーへ高い期待を抱きつつ「コスプレイヤーなら誰でも売れるというわけでないのはわかってきている。今年からはコスプレイヤーの中から、いかに逸材を探すか」(前述のグラビア誌編集者)と語る。そういう点で、2021年は“ポストえなこ”探しが過熱しそうだ。

徳重龍徳(とくしげ・たつのり)
ライター。グラビア評論家。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。2016年にウェブメディアに移籍し、著名人のインタビューを担当した。現在は退社し雑誌、ウェブで記事を執筆。個人ブログ「OUTCAST」も運営中。Twitter:@tatsunoritoku

週刊新潮WEB取材班編集

2021年1月5日掲載

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