「コスプレイヤー」が雑誌グラビアに続々登場 2021年は“ポストえなこ”探しで加熱

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 2021年の雑誌グラビア業界はどうなるのか。間違いなく言えるのがコスプレイヤーの起用の増加だ。昨年のグラビア業界を振り返るとコスプレイヤーの活躍がとにかく目立った。えなこ、似鳥沙也加、伊織もえ、あまつまりな、桃月なしこ……。コンビニの雑誌コーナーをのぞけば、彼女たちの誰かが必ず表紙になっているほどだった。

 その筆頭がえなこの存在だ。2019年は写真集の関係で集英社でのグラビアが中心と縛りがあったが、2020年にその縛りがなくなると、一気に露出が増加。漫画誌の表紙を次々飾り、CM起用、さらに12月20日にはMBS『情熱大陸』に出演と飛ぶ鳥を落とす勢いで、年末には自身のSNSで2020年の年収が5000万円を超えたと明かした。

 えなこ以外でも活躍は目立ち、ヤングマガジンなどグラビアの本流といえる青年漫画雑誌7誌の表紙の起用タレントを調べると、2019年全体では19回だったコスプレイヤーの表紙起用が、2020年は倍となる38回まで伸びている。

 なぜ、コスプレイヤーのグラビア起用が増えたのか。

 たとえば、青年漫画誌『ヤングチャンピオン』では、2019年の2回から2020年には8回とコスプレイヤーの起用が4倍に増えた。現在店頭に並ぶ2021年第2号の表紙にはえなこが、『ヤングチャンピオン烈』には似鳥沙也加が起用されている。

『ヤングチャンピオン』のグラビア担当者はこう語る。

「とにかく反響がいい。表紙に起用すると非常に売れ行きがよくて、2020年一番売れたのは8月のえなこさんの表紙の時で、書店でも売り切れが相次ぎました」

 タレントのファンの多さを測る指標にSNSがあるが、えなこはTwitterが125・6万人、Instagramが142・5万人と、ともにフォロワー100万人超え。伊織もえはTwitter78・8万人、Instagramが66・3万人。似鳥沙也加はTwitterは27・8万人、Instagramは98・4万人と、グラビアアイドル(グラドル)に比べると、圧倒的にフォロワーが多い(2021年1月4日現在)。

 これは、ファンが男性に限られがちなグラドルに対し、コスプレイヤーは、コスプレするキャラクターが好きなアニメファンもフォロワーになりやすいためと考えられる。またコスプレの場合、水着ほど女性の抵抗は少ないことから、同性のファンもつきやすい。

 出版社では雑誌本体の売上はもちろん、近年グラビアを使ったデジタル写真集の販売にも力を入れている。こうしたファンの高い支持は、コスプレイヤーの起用を進める一因になっている。

 えなことともに躍進した似鳥沙也加は、一昨年にデジタル写真集をヤングチャンピオンで発売したが「異常なぐらいの売上」(先のグラビア担当者)だったといい、こうした売り上げが表紙起用を進める。また昨年「2・5次元モデル」として一気に注目を浴びたあまつまりな(昨夏「あまつ様」より改名)も「まず1回目の数字がよくて、デジタル写真集も“数字が1桁違うくらい”出ていた」(同)といい、2020年にはヤンチャンで3回表紙を飾った。

「コスプレイヤーさんのファンには今までのグラビア好きにプラスして、レイヤーとして活躍していた時代のファンもついている。さらに彼らはデジタルの写真集を買うことに抵抗がない人が多い」(同)

 どうやら、ファンの熱量もグラドルよりも高いようだ。

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