「大みそかの終夜運転」取りやめは「超異常事態」 いつ始まった? 取りやめはいつ以来?

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自粛ムード一色の中でも

 都電での連日にわたる終夜運転がいつ取りやめになったのかはわからない。

 サンフランシスコ平和条約の発効により、日本が主権を回復した1952(昭和27)年4月28日ごろではないかと思われる。

 東京を走る国鉄の終夜運転が再開されたのは1952(昭和27)年の年末だ。

 このとき、山手線の原宿駅では外回りの電車用に臨時のホームが開設されている。

 臨時のホームは明治神宮に直結しており、初詣客への便宜を図るとともに、もともと用いられている外回り、内回り共用のホームの混雑を緩和する役割を果たした。

 なお、この臨時ホームは長らく初詣期間中しか開設されていなかったが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に備えた原宿駅の改良工事の一環として整備され、2020年3月21日から常に用いられている。

 大みそかの終夜運転は先述の通り太平洋戦争中は中止となっていたものの、関東大震災が起きた1923(大正12)年の年末も、昭和天皇のご容態が悪化して自粛ムード一色の世となった1988(昭和63)年の年末も行われていた。

 それだけに2020年の年末は異常な事態と言える。

 新型コロナウイルス感染症が終息し、来る2021(令和3)年の大みそかには終夜運転が復活することを願いたい。

梅原淳
1965(昭和40)年生まれ。三井銀行(現在の三井住友銀行)、月刊「鉄道ファン」編集部などを経て、2000(平成12)年に鉄道ジャーナリストとしての活動を開始する。著書に『新幹線を運行する技術』(SBクリエイティブ)ほか多数。新聞、テレビ、ラジオなどで鉄道に関する解説、コメントも行い、NHKラジオ第1の「子ども科学電話相談室」では鉄道部門の回答者を務める。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月31日掲載

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