神戸山口組の「井上組長」に引退を迫る幹部も…ヤクザ界の2020年を振り返る

国内 社会

2020年12月31日

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ヤクザから暴力を取ったら何も残らない

 2020年はヤクザ界にとってどんな年だったのか。元山口組系義竜会会長で、現在はNPO法人を運営する竹垣悟氏と振り返りつつ、今後の吉凶を占う。

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 まず竹垣氏が指摘したのは、6代目山口組ナンバー2である高山清司若頭の存在感の大きさである。

「2019年10月に出所する前から緊張感がありましたけれど、出所後はさらに存在の大きさを見せつけた2020年だったのではないでしょうか」

 高山若頭の出所後には少なくない抗争が、6代目と6代目を割った神戸山口組との間で繰り返された。挙句、神戸山口の中枢組織である山健組のおよそ半分が神戸から脱退するという事態を招き、「神戸山口組の乱は5年で平定された」というような言葉も飛んだほどである。

「一連の動きを見て、『信賞必罰』という言葉を思い出しました。4代目山口組の竹中正久組長が射殺された直後、当時の岸本才三本部長は、4代目の指針として『信賞必罰』という言葉を使ったんですね。それから一和会壊滅のため、それを地で行くような苛烈なカエシ(報復)を重ねて行くことになりました。時代は変わって、当時ほど凄惨な“戦争”とは言えないまでも、ヤクザから暴力を取ったら何も残らないのは昔も今も同じ。盃を受けた親分を裏切る『逆縁』という、ヤクザの世界で最も許されない行為をした神戸側を絶対に許さない……そんな高山若頭の狂気を感じましたね」

 この抗争は、劣勢に立たされた神戸山口組の井上邦雄組長がギブアップするまで続く可能性大だが、目下、井上組長にそんなそぶりはないとされる。ただし、竹垣氏のもとにはこんな情報も。

「神戸側のナンバー2である寺岡修若頭(侠友会会長)が井上組長に引退を迫るのではないかとか、寺岡若頭が他団体の幹部と会って『井上組長引退後』について話しているなどといった話が流れていますね」

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